午後イチに久慈に到着して、
まずはこちらでも、ジャージー君に会いに。
田村牧場にも、ジャージーの男の子が2頭いて肥育しているのです。
こちらでは2頭の飼料設計を別々にしてみようかということになっていて、
楽しみな取り組みになりそうです。
(1頭は通常の黒毛の飼料設計、もう1頭は短角牛と同じデントコーン主体の飼料設計。)
そして、相変わらず、田村牧場のバラエティに富む牛種の揃い方は健在。笑
また、この日はたまたま、去勢をやる日だよ~と言われていて、
今までタイミング悪く、立ち会ったことがなかったので、
ぜひ見させてください!ということで、そちらが行われている牧場に
ちょっとドキドキしながら、向かいました。
それは、ちょうどその流れで、母と子を離すタイミングでもあり、
話にはいつも聞いていたけど、彼らにとっては人生の大きな局面を迎える日を
目の前で見れるありがたい機会でした。
まず、現場に行ったら去勢はサクサクと手際よく進められていました。
(それでも黒毛に比べると、半分野生に近い短角牛は相当、神経を使うようです。)
一頭を追い込み、身体や足をしばって動けないようにした後、
その袋をカミソリでカットして、ポロンと中身が出てきたら
中の玉をクルクルクルクル数十回ねじって、スーって引っ張ってコロン、みたいな感じ。
それを右と左やって、消毒して、ハイ終了。
ものの5分もしない間に、雄が去勢になります。
それから、大分やんちゃな雌の仔牛の存在。
他の子たちはもう、鼻紋も取ってるのに、その子は親が向かってくるので
なかなか取ることができずに、今回のタイミングで一緒に取るということだったのですが、
それでも、暴れて暴れて大変で、男性が何人がかりでも手こずっているのを見て、
小さな体なのに、とんでもない力を秘めてること、
1頭1頭、個性ある命に向き合うことの大変さを肌で感じました。
可愛いだけじゃない、命と対峙して生きていく、
生産者さんたちの大変さをちょっとだけ垣間見て、
改めて、尊敬の念が湧いてきました。
最後にトラックに乗せようとして男性二人で引っ張っていても
飛ぶようにあちこち走り回って、振り回されてるのを見ていて、
ちょっと気を抜くと、命取りになるなぁとドキドキ。
野生感、満載。。
そして、壮観だったのは、去勢を終えた子も含めて、
仔牛たちを初めてトラックに乗せて、肥育をする牛舎に移動するとき。
後に残るのは、そのまま放牧地に取り残された母親たちが、
自分の子を求めて、鳴き続ける声。
そして、うちの子あっちに連れていかれたはず、っていう方向に、
みんなで列をなして、向かっていきました。
母牛が仔牛を探し求めるあまり、電柵を突っ切って
逃亡してしまうこともあるらしいです。
痛々しいくらいの親子愛。
レストランで短角牛のお肉を見たときに、
生産者さんや牛さんが生きていっている、こういう場面を
想像してくれる人がいたら嬉しいなぁ。
せめて、実際に料理してくれる方々に知ってもらえるだけでも。
それから、楽しみな動きがもう一つ。
前から少しずつ進んでいた、新たに切り拓いて、
そこに短角牛を放牧しようという計画のこちらの山。
ずいぶんと、木の伐採が進んでいました。
雪がとける今年の春、4月か5月に私も種撒きに行ってきます!
来年の夏にはまた新たな光景がお伝えできるかと。
定期的に行ってると、この日のようなタイミングに出合うこともあるし、
なにより、牛さんたちの成長や、牧場の環境の変化がわかることが嬉しいです。
やっぱり、私はここの部分からきちんと伝えていくことに
自分が関わる意義を感じます。
1月はさすがに雪景色になっているのかな。
また、来年お邪魔するのを楽しみにしています。
今回お世話になった方々、ありがとうございました!