ギュッと詰まった牛。

「あーこういうのが、
『コロンとしてて、ギュッと詰まった牛』
っていうんだろうなぁ」
っていう雌の見本のような体型の枝肉に先週、出会いました。

枝肉を順番に見ていってると、1頭だけが急に上がっていて。
写真 1

そんなわけないって分かりながらも、
もしかしてちょっと上から吊ってる?と思って
思わず、上を見上げてしまいました。

あれ、重量が全然違うのかな~と思って確認すると、
前の牛たちも大体420kgで同じくらい。
逆にこの1頭は短いけど厚みがあるので、切開面を見ると、
重量がもっとあるような印象になります。
写真

こういう枝肉を仕上げてくるってやっぱり、
導入の目も含めて、受け継がれるすごい肥育技術だなぁと思って
惚れ惚れしながら、見とれていました。

32ヶ月齢・花安勝ー安平ー福茂
生産者は水沢の佐々木譲さん。

そんな牛の肩とモモを今日骨抜きしました。

ウチモモ
写真 4

イチボ
写真 5

肩ロース
写真 1 (1)

リブロース側
写真 2 (1)

コザシで脂質もバッチリで、焼肉で食べたら美味しそう~。

短角牛や黒毛の経産牛、ジャージー牛などを扱っていて、
B2やC2のハンコにも慣れっこで、
全然そこにネガティブな要素を感じなくなっているけど、
調理に合わせた適材適所がやっぱりあると思うので、
それぞれの想いや考え方で育ててくれる、
いろんな牛に向き合ってくれる生産者さんが必要だなぁと改めて思います。
どちらか一方に偏るべきではなくて、多様性。

ちなみに。
最近の私はシンタマの小割りとスジ引きに集中して
毎日研修させてもらっているので(ヒキザイ用の経産牛で。)
自分のお客様用とはいえ、いつになったら、こんな上物のシンタマの小割りが
できるようになるのかなぁと思って(しかも、スピーディに。)
職人さんの手元を食い入るように、これまた惚れ惚れと見つめていました。

写真 3 (1)

写真 4 (1)

そして、この後は調理のプロにバトンタッチ。

本当にどれか1つが欠けたらその時点で台無しで、
牛が生まれてから、一切れのお肉になるまでに、
たくさんの職人、プロの方々の手元を通っていることを
産地に行く度、こういう場面に出会う度、実感します。

最後の最後、この子が人の口に入るときに、
たくさんの笑顔で迎えられますように。