雫石を出発して、水沢に向かったのは、
佐々木譲さんちにいる経産但馬牛に会うため。
4年前に但馬牛を導入し始めた頃から良くお話は耳にしていて、
この子は、そのとき最初に淡路の市場で導入したうちの1頭とのこと。
本当はすべて肥育しようと思って導入したのだけど、
来てすぐマイコプラズマにかかって、
その中でも、三途の川を渡りかけたこの子は
肥育するのはかわいそうということで、お母さん牛にしたとのこと。
無事にメスを1頭産んでくれたけど、お母さんとしてもあまり強くなくて、
その後、二産目があまり順調じゃなかった後に再肥育し始めたそう。
その話はずいぶん前に芝浦で会ったときに聞いていました。
もう再肥育し始めてから1年以上にもなるそうです。
最初、買ってきたときに、雌の名人であるお父さんが
「一番、但馬らしい但馬牛だ!」って言ったらしく。
去年末頃にそろそろと畜しようとしたら、そのお父さんが、
「まだ餌食うのにかわいそうだ。」
って止めたらしい話もうちのボスから聞きました。笑
それは、みんな興味津々だよね!
と、食べてみたいあまりに向き合わせてもらうことに。
そして、扱わせていただくからには生きている間に一度会いたい、と
今回、水沢に寄らせてもらいました。
それぞれのいろんな想いが詰まっているのだろうし、
良い形で、この子の牛生を終わらせてあげられたらなぁと思います。
そして、新幹線に乗った帰り道。
(ざっくりは聞いていたけど)実際は何歳かなぁって
早速、10桁叩いてみたら、なんとその訪問した1月22日が
ちょうど彼女の5歳の誕生日でした!
いや、これ運命でしょ~って勝手に一人で嬉しくなって、ニヤけてました。
あー分かっていれば、なにか誕生日プレゼント持って行ってあげたのに。
それだけが悔やまれる。
2月後半に枝肉に向き合わせてもらう予定です。