井信行さんが最初に入れたジャージー10頭の最後の子が
先週と畜されて、枝肉になって、今日東京にやってきました。
なんと、今回のジャージー君は43.7カ月齢。
「この子は食い負けてて、なかなか大きくならなかったけど、
同じ群の他の子たちが出荷されて1頭になったら、しっかり食べるようになって
最後にグンっと大きくなりましたー!
身体つきからしても美味しそうですー!
たぶん、40カ月くらいにはなると思います。」
って、確かに井さんから聞いていたけど・・・。
10桁入れて、調べたら、43.7カ月って・・・。
思わず、一人で笑っちゃいました。
「井さん、やっぱりすごいなぁぁぁ。笑」
ってつぶやきながら。
数字じゃなくて、生体そのものに向き合って見てるんだ。
そして、もちろん、牛は井さんにとっての生活の糧だから、
経済動物なんだけど、もしかしたら井さん、研究機関?って
思うくらい、チャレンジ精神と探求心が強い。
出来る限りのコスト削減されてて、経済観念もしっかりされてるのだけど、
時に、こういう風にやらにゃいかんって思いでとことんやる。
逆に研究機関はこんな全体頭数の少ない部分に投資はできないのかな。
以前、ある研究機関が短角の研究をやめることになったっていう経緯で、
そんな話を聞いたことがあって
(頭数が少ない牛種で研究しても社会的な効果が小さいから)
なんてもったいない、だからこそ面白いのに、
って思ったことがありました。
井さんは、それを地でいかれている気がします。笑
ジャージーは大きくならないんじゃなくて、
大人になるタイミングが遅いだけ、
っていうことを実証してくれて、この子も枝重406㎏になりました。
そして、43カ月も飼ったジャージーなんて、また次いつお目にかかれるか
分からなくて、私にとってもワクワクでしかありません。
こんな貴重な牛を扱わせてもらえることに感謝です。
ちなみに、私も4月に熊本行った時にこの子に会っていて、
確かに、ブラウンスイスともう1頭のジャージーに阻まれて、
餌箱のある、こちらのほうに全然近寄ってこれなかったのをよく覚えています。
この真ん中の子です。
うちの岩手のボスから以前、聞いた話で、
「ジャージーは毛の色が薄いのより、濃い色のが美味しいんだぞ」
っていうのがあって、まだ検証するまでに至っていないですが、
この子の毛色が濃いっていうのも私にとってはちょっとポイントです。
そうして今朝、ドキドキしながら会いにいった枝肉はこんな感じでした。
しっかりしてます。
そして、無駄のない。
すでに、井さんのジャージー取り組みの第2章はスタートしてますが、
まずは第1章の最後の子で、井さん、やってくれましたねって感じです。
ふと考えてみれば、ちょうど1年前の7月に井さんに再会しにいって、
このジャージーたちを扱わせてもらうことが決まったのでした。
ありがたいご縁。
大切に向き合わせていただきます。
2週間くらいこちらで休ませて、来週後半くらいに骨抜き予定です。