牛をめぐる旅~北海道編②


今回の北海道本番は、懇親会BBQでもなく、
ありがとう牧場さん訪問でもなく、
有機(オーガニック)ビーフの勉強会でした。笑

「ここ空いてますよ~」って七加ちゃんに言われて、
思わず、何も考えず、最前列に陣取っちゃったけど、
前日は調子に乗って飲みすぎだし、
その上、なんてったって、朝4時起きだし、
「あ、ヤバいかも・・・後ろの方にしとけば良かった。」ってふと思ったけど、
実際、有機ってものを今まで改めてそんなに重視したことなかった自分でも、
興味深い内容で、逆に言えば不勉強な分、知らなかったことが多くて、
眠くなる余裕なく、聞かせて頂ける内容でした。

まずは、上田さんから、北十勝ファームの現状と
アニマルウェルフェアや有機畜産物に向けての動きなどのお話。

そして、続いて、世界のオーガニック事情に詳しい有福さんから
JAS有機畜産認証がいかに厳しいか、基本的な考え方の講義。
有福さんは、木香書房という出版社も経営されていて、
「自然と農業」という季刊誌も出版されています。
前日も質問していたのですが、
「なんでオーガニックの世界に興味を持たれたのですか?」と。
そしたら、お孫さんがアトピーで辛い思いをされていたのがきっかけで、
色々知らべてみたら、4人に1人がアトピーなんて国は日本だけだ、とのことで、
その頃、あまり日本国内では注目されていなかった
JAS有機畜産物の認証制度に向けての動きをスタートされたのこと。

私もよく、
「実家も普通のサラリーマンで、畜産系の大学も出てないのに、
 なんで、そこまでこの業界に興味を持ったの?」
と聞かれますが、そこに人生をかけていくことになるきっかけは
ふとしたところに転がっているんだなぁと思います。

アニマルウェルフェアの話は今まで聞きに行ったこともあって、
また、宝山に入社して、牧場研修を終えてすぐ、
ニューヨーク視察に行かせてもらったときに見た、
ホールフーズに掲げられていたこちらの5つの約束が今でも
すごく印象に残っています。
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(今、画像引っ張り出したら、2012年ってもう5年前・・・
 改めて幸せなスタートをさせてもらったなぁと思います。)

アニマルウェルフェアと有機の関係性が良く分かっていなかったのですが、
どうやら、有機畜産物の生産の方法の中の一部の条件に
アニマルウェルフェアがあるんですね、少しだけ見えてきました。
本当、初歩的ですみません。。

有機畜産物の原則、
①環境への負荷をできる限り、低減して生産された飼料を給与することを基本とする
②動物用医薬品の使用を避けることを基本とする
③動物の生理学的および行動学的要求に配慮して使用する

の③がいわゆるアニマルウェルフェアってことらしいです。

とはいえ、そんな言葉でいうほど簡単なことではなく、
この後、午後に北十勝ファームさんの牧場に移動して
牛や環境を目の前に具体的な現場での指導です。

そして、講義は牛博士の木村先生のお話に続きます。
2年ほど前にある食事会でご一緒させて頂いて、
その後、素晴らしい教科書だよ、とまた別の大先輩にご紹介されて
この木村先生が監修されている「肉用牛の科学」で勉強させて頂きました。
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色々振り返ってみると、ぼんやりしている自分に
ありがたいことにいろんな人たちが出会うべき方々を
ご紹介してくれてるんだなぁと気づきます。

木村先生の講義は『世界の畜産と飼料添加物加薬剤の動向』でした。
どうしても、その後の質疑応答でも、興味はモネンシンの話に集中します。
皆がどう判断して良いものか、いろんな情報を求めてる真っ只中な気がします。

話は別ですが、以前、畜産農家の方々と
アメリカの畜産事情の海外視察研修に行かせてもらったときに、
ある大学の教授が、牛に使うホルモン剤について講義をする時間がありました。
その時、いろんな研究結果も含めて、ホルモン剤がいかに残留性がないか、
問題がないかっていう話に終始していたのですが、
日本の農家さんたちは講義終了後、
「それでもなんか嫌だよなぁ。」
っていう話をしていました。

その不自然さに違和感を感じて感覚的に嫌なものなのか、
少なからず何かが残っていて現実的に何世代か後に何か影響がある(かもしれない)からなのか、
あるいは、仕上がるお肉の味が変わってくるからなのか、
どんな理由で使う、使わないの判断をしていくのか、
育てる側、届ける側、食べる側、それぞれが自分の意志で
選択をしていくことなんだろうなぁと思います。

そして、午後は外に出て、北十勝ファームさんでの実地研修。

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北十勝ファームの短角牛たちは人を見ると、
タッタッタッタって寄ってきて、可愛らしい。
牛は飼っている人たちの鏡みたい。

足寄で珍しいっていう暑さと強い日差しの中、
現地での有機認証に向けての指導も興味津々。

季節による風向きも調べて、その風上で慣行農法の農薬が散布されていない方が良い、とか。
利にかなった角切りも認められない上に、削蹄もダメだっていうことにビックリ。
基本的に、身体をいじっちゃダメだそうです。
うーん・・・、って考えさせられました。
さらに、人工授精はOKだけど、受精卵移植はダメとか。
あ、去勢はギリギリOKらしいです。
なんでなんで?って思わず、子どもみたいに質問攻めにしそうになりました。

この後、予定が入っていて、途中で退散になったのですが、
面白いから、今後もご縁繋がらせて頂けたら、と思います。

そして、今回の北海道での収穫がもう一つ。
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北海道に向かう直前に読んだ、この本に感銘を受けて、
この中で取材を受けていた上田さんに「会いたいんです!」ってお願いしたら、
その場で電話してくれて、増田先生とお話もできて、
なんと、今月末にみんなで食事会をすることに(≧▽≦)

いやぁ、願えば叶うもので、今回の件も含めて
上田さんには感謝しかありません。
お陰様で想定外のことも含めて、楽しい楽しい北海道でした。
お世話になった方々、本当にありがとうございました!

また行けるように、お仕事がんばります。