【入荷情報】中屋敷さんブラウンスイス36.5カ月齢♂~本編

そして、そんな愛されブラウンの枝肉内容はこんな感じでした。

ロース芯
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バラ
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モモ
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脂質
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切断面
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体型はあの通りでしたから、引きが長いし、
もちろん、丸々とした枝肉ではないですが、
ロース芯の細かいサシの感じ、無駄脂のなさから、
無理なく、ゆっくり時間をかけて、育ってきたことが伝わってくる内容です。

そして、なぜかバラが、乳牛と思えないほど、
厚みといい、サシの入り方といい、しっかりしています。
脂質も好み。

そして、枝重量はなんと504㎏までいきました。
身体全体は大きいけど、あのアスリート体型だったし、
顔も大きかったし、足も太かったし(笑)、
意外と枝重量とれないかな、と思っていましたが
さすがブラウンスイス、500㎏越えるんですね。

それに対して、ジャージーをお肉として、
経済的に成り立たせることの難しさを改めて実感しました。
井さんも、國分さんも、中屋敷さんも、みんな口を揃えて、
「ジャージーはそんなに簡単じゃない。」
って話されます。
本当、ジャージーは最後まで、とことん付き合う気がないなら、
気軽な気持ちで生産を始めるべきじゃないです。
私はジャージーのお肉が大好きなので、この方々が育ててくれる限り、
とことんお付き合いしますが。

そして、このブラウン、最初のロース芯の画像で分かるかと思いますが、
ロース芯の奥の方が少し、凹んでいます。
あんまり、このようになっているのを見たことなくて、
『この日の朝に胴切りしたばかりで数時間後に、
 なんで、こんな風に下がるんだろう?』
って周りの方々と話していて、詳しい方に聞いたら、
やっぱり、水分量が多いと、水分が抜けてそうなるそうです。
とはいえ、この子がすごい水分が多い感じもせず、
よほど短角のほうが、水分が上のリブ側から垂れることがあるくらい
と畜直後の水分、多い気がします。
いずれにせよ、枝でしばらく枯らすので、良いとして。

その話を後から中屋敷さんと話していて、
『牛が枯れる』っていう話になりました。
よく黒毛の時に
「食いが落ちてきて、牛が良い感じに枯れてきたから、
 そろそろ仕上がって、出荷のタイミングだ」
って言い方を聞きます。
それに対して、この子は、最後まで食いも止まらず、
毛艶もよく、枯れる感じは一切なかったもんなぁとのこと。
健康体そのもの。笑

そして、改めて
“『牛が枯れる』ってなに?
枯れた時が仕上がり時?枯れたら美味しい?
それとも、枯れたら、その子のサシが一番入っているタイミングだから、
サシを入れたい黒毛の場合限定の話なんだろうか?
短角や、あか牛や、ジャージー、ブラウンスイスなどの、
サシを求めない牛種のときに『枯れる』って必要??”

って考え出したら気になりだして、井さんに聞いてみました。
「井さんは牛が枯れるって考えたことあります?」と。
そしたら、
「知らん。そんなん初めて聞いた。ウヒャヒャ~笑」
って。
「やっぱり、そうだよね~笑」
ってなんかホッとしました。

そして、岩手のボスにも聞いてみました。
やっぱり、あくまで黒毛を仕上げるときの感覚で、
短角やジャージー、あか牛などの赤身肉には考える必要ないだろう、と。
やっぱり、草をめいっぱい食べて育ってきた牛がうまいのさ、と。
「だから、枝にしてから枯らすんだろう?」と。

そうでした。理に適ってるんだろうな。

というわけで、この子もしばらく枯らして、
今月末くらいの骨抜き予定です。