東京宝山ではグループ牧場の牛肉、すべて取り扱っていますが、
さらに現在、下記の2種をオリジナルとして扱っております。
田村牧場・吊るし熟成短角牛
飼育環境
田村牧場は、短角牛の仔牛の繁殖から肥育まで、すべて行う一貫牧場です。
母牛から生まれた最初の一日から、スクスク育って、お肉となる最後の一日まで
ずっと同じ牧場内で飼われているので、牛自身・食べたエサ、両方とも最初から最後まで、
完全なトレーサビリティが整っています。
牛本来の生き方を尊重し、できる限りストレスを感じさせないよう配慮した飼育方法にこだわり、
エサに関しては、自家産の粗飼料【牧草・デントコーン・稲ワラ】を主に食べて、育ちます。
母牛に関しては冬の間も、雪の中、周年放牧していて、放牧中の自然交配で、
仔牛が誕生し、生後10ヶ月間は母子が一緒に放牧されて育ちます。
また、お肉として仕上げるその後の肥育期間に関しても、できるだけストレスのかからない環境を目指して、
広い運動場を自由に動き回れる環境で、育て上げます。
そのため、田村牧場の短角牛は力強い赤身肉が特徴となります。
吊るし熟成
このように大切に育てられた牛肉を皆さまに美味しく召し上がって頂くために、
今、東京宝山では「吊るし熟成」に取り組んでいます。
昔ながらのお肉屋さんたちが当たり前にやってきた「枯らし」と言われる方法です。
と畜したての牛肉には、まだ旨みが十分に乗っていなくて、余計な水分も多い。
それを程よく干して、乾かし、また、同時にタンパク質がアミノ酸に分解されて、
旨みが増した頃合いに食べてもらう、という、お肉自身の持っている酵素の力を使って、
最大限にお肉の能力を発揮してもらうための、ごく自然な途中経過です。
力強い赤身肉を美味しく召し上がって頂くには、必要な時間だと考えています。
また骨付きの枝肉という脂に守られた大きな状態で熟成をするため、表面を削る部分も少なく、
大切なお肉を無駄にする部分が少ないということと、お肉自身が生きた骨付きの状態で熟成が進む、
ということで、加工後の熟成の進み方もゆっくり、という利点もあります。
いわて門崎丑牧場・寝かし熟成黒毛母牛
母牛の特徴
霜降り(脂のサシ)が特徴の黒毛和牛の中でも、お母さん牛は太ってしまうと産道がせまくなってしまって、出産がしずらくなってしまうため、太り過ぎないように、健康的に育てられています。
そのため、霜降りのしっかり入ったお肉ではなくて、赤身が主体のお肉になります。
そして、お母さん牛として、子供を産む期間は牛によってそれぞれですが、長い牛だと10年以上。
年月を生きたことで、お肉の味わいや、香りに深みが出てきます。
そういったお母さん牛を出産という役割を終えた後、きちんと再肥育して、仕上げた牛は
味わいがしっかりあって、美味しいのです。
実は、フランス現地で食べられているシャロレ―牛も、美味しいと言われているのは、
5歳~8歳のお母さん牛(経産牛)とのこと。
そんなお母さん牛(黒毛和牛)を「いわて門崎丑牧場」で、宝山の飼料を食べて再肥育して仕上げたものを
同じように枝肉で吊るし熟成をさせています。