遅れていた東京の桜がやっと咲きました🌸
そんな中、岩手・雫石からやってきたのは、
グイっと顔を突き出している、向かって右の子。
ブラウンスイス×黒毛のブラ黒「ミミ」ちゃんです。
あまりに愛されすぎて、
『可愛い子には旅をさせよ』とばかりに
あちこち旅をしてきた、こちらの2頭、双子の女の子です。
ブラ黒の、モモちゃんとミミちゃん。
この2頭が生まれたのは栃木・日光でブラウンスイスの牛乳をつくっている、
『大笹牧場』さんというところです。
(観光牧場もやられているようなので、いつか行ってみたい!)
そして、生まれて1ヶ月くらいで、ブラウンスイス♂を若牛肥育していた
北海道・清水町の『コスモスファーム』さんへ。
その後、哺育期間が終わると、4カ月齢で
千葉・旭で交雑牛や黒毛の肥育をしている『岩渕畜産』さんへ。
ここまでの旅はまぁあることなのですが。。。
本来はそちらでお肉になるまで育てられる予定だったのですが、
共通の餌やさんのご紹介で、岩手・雫石の『中屋敷ファーム』に
やってくることになりました。
友人でもある岩渕さんにその理由を聞いたところ、
この2頭のあまりの可愛さに、
従業員さんたちがメロメロに愛しすぎちゃって、
どうにも自分のところでお肉にするところまで
育てるのはなんだか申し訳なくなっちゃったそう・・・。
それで、餌やさんに相談して、そんな変わった掛合せも
母牛として繁殖をされている中屋敷さんを紹介されたらしいです。
こちらは中屋敷さんのところにやってきたばかりのまだ1歳手前の頃。
変わった品種たちのお肉を扱っていると、
世間は狭いなぁと思うことが多々あります。笑
そして、やっぱり黒毛との交雑牛でも、
その母牛である乳用種の品種の掛け合わせによって、
お人柄(牛柄=性格)が変わるというのもよく分かります。
ホルスタインと黒毛の掛け合せが一般的な交雑牛ですが、
そちらに比べて、ジャー黒の場合は、
ジャージー独特のいたずらっ子だったり、
負けん気の強さがでるのはみんなよく言われるし、
ブラ黒の場合は、ブラウンスイスの穏やかな性格の良さが
交雑になっても出てる気がします。
そのおおらかな性格のおかげで可愛がられすぎて、
お肉として育てられるところを母牛として生き延びることになった
今回のミミちゃんとモモちゃんです。笑
その後、中屋敷さんのところにやってきてからも
スクスク育ってくれて、2頭とも無事に母牛となりました。
が、順調に繁殖牛として活躍するモモちゃんに対して、
ミミちゃんは1頭目を出産後はなかなか種がつかなかったり、
妊娠しても早期流産をするなどして、
あまり母牛としては向いていなかったようです。
なので、少し早いですが、一産のみで繁殖は諦めて
宝山のエコフィードなどによる再肥育期間を経て
今回、お肉になってくれました。
さすが若いだけあって、枝重量も394㎏と立派なものでした。
ちなみに、黒毛は「百合光(百合茂ー美津福ー紋次郎)」です。
実際の内容はこちらです。
ロース芯。
バラ。
モモ。
切開面。
枝肉全体。
ロース芯も真ん丸の良い形で張りがあり、
バラや筋間脂肪など見ても無駄のない仕上がり。
さすが、ベースとなる幼少・育成期にしっかり大切に
育てられてきていることが伝わってきます。
そして、程よくコザシが入ったくらいの
ロースの赤身加減が食べ心地良さそうな雰囲気。
ブラ黒の一経産に向き合わせていただくのは
今回がはじめてなので、楽しみです。
もう少し枝で枯らして、4月10日頃に加工予定です。