今回の中屋敷さんジャー黒は、また初めての取り組み。
今までのジャー黒2頭は、男の子たちだったけど、
今回の子は女の子。
しかも一回赤ちゃんを産んだ子です。
一般的に、『一産取り肥育』と呼ばれるもので、
生産者さんたちが経営面を考えた時に、雌に1頭仔牛を産ませてから
お肉にすることで、牧場経営を安定させるための一つの方法です。
だいたい、1歳を過ぎたくらいで、初めての発情が来るので、
タイミングを見て、受精卵を入れます。
そして、妊娠期間10月10日で仔牛を産んで、その時点で24カ月齢くらい。
そこから最低半年くらいかけて、
お肉として美味しくなってくれるように育て上げていきます。
そうすることで、仔牛を1頭産んでくれた上に、
本人の肉質自体は未経産とそう変わらない中、
月齢は一般的な肥育より少しだけ長くなるので、
味わいがより深くなることも期待できます。
最初、女の子のジャー黒が来るって分かった時から、
「そういう取り組みもしてみたいね」っていう話をしていて、
実際に中屋敷さんが取り組んでくれた子が今回の子です。
ちなみに、この子自身の黒毛の血統は、前回の子と同じ『安照鶴』で、
「安平照ー紋次郎ー茂重波」と、思いっきり但馬系です。
こちらは、中屋敷さんちに来たばっかりの頃。
こんなに茶っこい毛色だったんだなぁ。
ミルクを卒業した頃にはこんなに毛色が黒くなってました。
こんなに変わるんだ。
そうして、その後は繋ぎ牛舎で、仔牛を産んでくれて、
宝山の餌をしっかり食べて、立派な体型に育ってくれました。
中屋敷さん曰く、「体型は最初から良くて、期待してた」そうです。
その言葉通り、先週芝浦にやってきた枝肉は、
ロース芯も良い形でしっかりと大きくて肉周りよく、
肉のテリと脂質、ほんのりコザシのバランス、
これは間違いなく、美味しそうです。(←親バカ?笑)
ちなみに、枝重量は398㎏と、今までのジャー黒たちの中で
一番、重量ものってました。
1頭向き合わせてもらうごとになんとなく、
自分たちが目指していく方向が見えてくる気がします。
この子と、来月出荷予定のジャー黒♂1頭を残して、
中屋敷さんから出てくる子たちは一回お休みです。
最初に導入した15頭の子たちが、こちらでみんな出荷になりました。
次は、今年、放牧地に上がっている子たちが、
山を下りてから、肥育がスタートして、
1年半後くらいから、お肉になり始めます。
こんな風に、牛1頭が育つまでには、地味で地道な、
生産者さんたちの努力と愛情と、時間がかかっているので
ブームとかではなく、長い目でお付き合い頂けたら嬉しいです。
今回のジャー黒ちゃんは、これからご案内して、
8月半ばくらいの加工、お届け予定です。