ひょうきんちゃん。


岩手県奥中山の三谷牧場さんのジャージー経産牛の枝肉に
今年の2月に向き合わせてもらってから4カ月。

ジャージー経産牛
再会。

すでに次の大食いナナちゃんを雫石で再肥育中ですが、
今月に入って、急きょ次の子に向き合う話がやってきました。

その子は13歳のひょうきんちゃん。

ひょうきんちゃんは、三谷牧場さんの初代の牛たちの大切な一人で、
近所の農家さんが三谷さんご夫婦が牧場を始めたお祝いにって
くれた子なのだそう。

その子は今まだミルクを絞ってるけど、足が少し悪くなったから、
いよいよお肉にしなくちゃいけないときが近づいてきた、とのこと。

「足が悪いから迷惑かもしれないって最初はちょっと躊躇したけど、
もし良ければ、前回と同じように、中屋敷さんと荻澤さんに扱って欲しい」
とありがたくお話を頂きました。

中屋敷さんと相談して、
足が悪いから再肥育は本人にとってきついだろうし、
先日の再肥育なしの黒毛の経産牛のしきぶちゃんの評判が
予想以上の反響だったこともあり、
この子は再肥育はせずに、幸せに暮らした三谷さんのおうちを出たら、
すぐにそのままと畜してお肉にして、枝肉に向き合って、
どのように生かしてあげることができるか考えて、
ベストを尽くすほうが今回は良いね、という判断になりました。

今週21日にと畜、24日に枝肉で東京にやってくる予定です。

私は残念ながら、直接ひょうきんちゃんに会うことができなかったけど、
連れてきた中屋敷さんも、三谷さんもまず一言目に言うのは
「とにかく、とてつもなく短足なのさ!」
ということ・・・笑

ミルクを絞ってても、絞りの器具が床についちゃうっていうから、
「え、本当にちゃんと立ってるの?!」
って思わず聞いちゃったくらいです。笑

そして、名づけ親の三谷さんに
「なんで、ひょうきんなんですか~?」
って聞いたら、
「なんかね、最初来たときから動きがひょうきんなの!」
って。

嬉しくて、雪の中にバーッて走っていったら、
身動き取れなくなってハマっちゃって、
「た、たすけて・・・。」みたいになってみたり。

どこか渡ろうとして、行ってから渡り切れないことに気付いて
途中で立ち往生してたり。

野生としては生きていけない性格かもしれないですが・・・、
「なんか、にくめなくて可愛い子なの。
 性格は本当に良い子だから、きっと美味しいと思う!
 例えば、人間でも政治家みたいなお金にまみれた人より、
 誠実にきれいに生きてきた人のほうが食べたいって思うじゃない?」
「うんうん、わかる、そう思う!」
って、女性二人で、あるまじき会話をしながら。。

しかも、雰囲気が似てることから、別名で、
三谷さんのお母様の「きょうこ」という名前も頂いているらしく。
セカンドネームまであるなんて、幸せな牛です。

そして、前回の子をお肉として頂いた経験から、
最初あんなにお肉にすることを悩んでいた三谷さんご自身が
「うちの子、最後まで見てあげなきゃ(食べてあげなきゃ)って思うようになった」
って話してくれて、なんだか良かったなぁって思うわけです。

そんな話をした後に、三谷さんのブログをふっと見ていたら、
ひょうきんちゃんの話題が出ていました。

フラれたひょうきん

放牧開始!2016!

その時の光景が思い浮かんで思わず笑みがこぼれるし、
こんなにこの子が生きてきた背景を知ったら、そりゃ感情も入って、
この子を一番生かす方法でお肉にしてお届けしなければ、
と改めて気合いも入ります。

枝肉になってやってくるのを心して迎えたいと思います。