続いてやってきたのは、井さんジャージー未経産メス41.6カ月齢。
去年の6月末に小国町の酪農家さんから、
うまく妊娠できなった未経産のメスたちを4頭、導入されて、
井さんがメスの再肥育にチャレンジすること約1年。
その時導入した子たちは、今回の子が最後です。
やってきた時から一番小さかったそうで、
井さんのところにいたのは一番長く、11カ月齢の再肥育期間。
井さんも出荷前、
「最初、一番小さかったけど、最近になって、
毛ヅヤもよくなってきて、丸くなってきましたー!」
ってお話されていました。
そして、実際の枝より先にこちらに届く、枝肉明細みて、
『459㎏』っていう重量が最初目に入って、
「えー井さん、まさかそんないったのー?!すごい!」ってビックリしたら、
なんて、ハヤトチリ。それは生体重で・・・。
実際には枝重量は『247.5㎏』でした。
井さんも「思った以上に小さかったですねー!」って話されていたけど、
これが、やっぱり、ジャージーの難しさです。
中屋敷さんが今まで数頭やってきてくれている経産再肥育よりも
重量が取れませんでした。
最初に頭に浮かんだのは、牛舎の一角を1年近く使って、
大事にお世話してきて、普通に考えたら、
これじゃ生産者さん面白くないから、続けてくれないだろうと。
井さんをもってしても、この重量です。
でも、この1頭だけのお付き合いじゃないから、
小さい分、こちらも単価でちょっとだけフォローしたり、
使ってくださる方々も今までの井さんが仕上げたジャージーの味を
知っているから、この子をまた井さんのチャレンジの成果として、
受け止めてくれるだろう、と、どこかで大丈夫!と思っている自分がいます。
本当、最後までとことん面倒みるつもりじゃなければ、
ジャージー肥育はやるべきではないです。笑
私はジャージー大好きなので、今お付き合いしている生産者さんたちが
育ててくれる限りはとことんお付き合いさせて頂きますが。
実際の枝肉内容はこんな感じでした。
そして、ジャージー経験重ねていく中、
まだまだ未知のこともいっぱいですが、
やっぱり、中屋敷さんが仕上げてくれた未経産メスの
肉周りが(私の)理想的なくらい、しっかりしているのは、
生まれてすぐの哺育から、ゴールの仕上がりイメージがあって、
黒毛の子たちと同じように、手をかけてくれてるからだなぁと
『三つ子の魂、百まで』を改めて実感するところです。
そして、井さんは今回の子が出荷になって、牛舎が空いたので、
今度はできるだけフレームの大きめの子を選んでもらって、
未経産か一経産くらいのジャージーメスを近々、
数頭導入してくれるとのことです。
良かった。ありがとうございます。
井さんは、良質な粗飼料に加えて、炒ってすった大豆。
中屋敷さんは、同じく粗飼料主体に加えて、ビール粕やオカラがメインに入った宝山の発酵飼料。
國分さんは、コエドビールのビール粕に加えて、ホル肥育農家さんなのに、モネンシンフリーの餌。
それぞれ「これがうちの肉の味になっていると思う!」って、
自信持たれているスタイルがあって、
実際に、味にもそれぞれの特徴がちゃんと出てくるのが
向き合わせて頂いて、評価もいただいて、毎回楽しいです。
品種×生産者さんのこだわり。
今回の子も、また自分の良い経験になるな、
って枝肉に向き合った瞬間に思いました。
井さんのジャージー肥育チャレンジの
第一章が、去勢たちで、
第二章が、未経産メスだとすれば、
今回の子は、第二章の大切な最後の1頭です。
どうしたら、この子が一番生きるのか目いっぱい考えながら
大事に向き合わせて頂きます。