もう11月!
今年も残り2カ月です。
牛たちの出荷で、季節を感じるこの1年です。
この時期になってくると、牛たちも食欲の秋を迎えて、
よく「美味しいねぇ~」と言われる季節がやってきました。
特に、田村牧場の短角牛に関しては、この時期の出荷は、
月齢が一番伸びてくるのもあり、毎年、味わいがグッと乗ってくる頃です。
1年目は理由が分からなかったけど、
2年目にも同じことを言われて、
(夏場に「ちょっと味わいが物足りない・・・」
逆に、この時期に「めちゃくちゃ美味いっす!」)
ボスに聞いてみたら、「お前、当たり前のことだよ」と。
秋の、生き物として越冬をしようという本能(→食い込みが進んで味が乗る)
また、夏場の暑さを凌ぐための水分補給(→味わいが淡くなる)
特に、より自然体で育ってる短角がその傾向があるのは当然のこと、と。
そりゃ、生き物だもの、言われてみれば当然のことなのですが、
その頃の自分からしたら、目から鱗でした。
それからは、より彼らが生きてきた季節感を意識して、
枝肉に向き合わせて頂くようになりました。
そんな牛も人も食欲の秋、
今月、まずやってきたのは井さんのあか牛です。
今回は32カ月齢の去勢。
32カ月齢は井さんのあか牛の中でも、月齢が長いほうですが、
「そんなに大きくなくて、メスみたいな体型の去勢ですー!」
と聞いていた通り、枝重量は406㎏。
ですが、びっくりしたのは格付けです。
「A3」
私が向き合わせて頂く中では、井さんのあか牛では初めての3等級です。
枝肉より先に書類が届いて、井さんに連絡したら、
「ありゃ!そんなにサシが入っちゃいましたか~!」と。
私たちの間では、「入っちゃった」という表現になります。笑
「でも、私がやる薄い餌(良質な粗飼料主体)で、それだけサシが入るのは、
もう牛の持ってる能力だと思う。
あと、32カ月っていう長めの月齢もあるかもしれん。」
とのこと。
「いつも通り自然に育って、秋の食い込みが進んで
牛が能力を発揮した結果だから、不自然な味わいにはなっていないと思うけど、
また、食べたら声を聞かせてくださいー!」
と。
そして、昨日、枝肉本人がやってきました。
そして、こちらの肩の部分がより分かりやすいと思うのですが、、
脂が黄色いのがよく分かると思います。
あー、良かった、ちゃんと草いっぱい食べてきたんだね、
と思わず、ホッとします。
ロース芯のサシがいつもより少し多いけど、
筋間脂肪の薄さや、目がぎゅっと詰まっていて、
じっくりゆっくり育ってきた感じはいつもの井さんの通りです。
ちょっと気になったので、一足先にやってきた内臓を食べてきました。
「すごく美味いっすよ~!」って聞いていた通り、
思わず顔が緩むやつです。良かった、良かった。
お肉も楽しみです。
こちらはこれからご案内して
11月半ばに加工予定です。