おかげさまで、東京宝山として5年目のスタートを切れた10月、
まずやってきたのは国分牧場さんのガンジー君です。
最近、国分さんも中屋敷さんも、黒毛との掛け合せが続いていたので、
久々の純血乳用種です。
しかも、かなりレアなガンジー種。笑
(ちなみに、インドのガンジーさん由来ではなく、イギリスのガンジー島が原産地です。)
2年くらい前にも一度、国分牧場さんのガンジーに向き合わせて頂きましたが、
戻し交配途中だったのかも?ということと、半頭のみだったので、
いまいち、まだガンジーの特徴を掴み切れておらず、
今回、初心のつもりで、ガンジーという品種に向き合っています。
この子は長野の農業高校で生まれて、千葉を経由して、
最終的に、埼玉の国分牧場さんに辿り着いたとのこと。
ずいぶん、旅してきたけど、良い牧場に来れて良かったね。
国分牧場さんにやってきて、まだ1週間くらいの頃に、
私もたまたま会いに行ってました。
可愛い♡このとき、7カ月齢くらい。
ホルスたちに交じって、やってきました。
ガンジーは額のところにある白いハートマークが特徴とのことで、
この子は本物のガンジーだね、と言い合っていたのを覚えてます。笑
1年経って、お友だちのブラウンたちとゆったりした牛舎で暮らしてました。
私は、こんな風に個性豊かな色合いの牛たちがいる光景が好きです。
一つの価値観で、一方向だけを求めてしまうのではなくて、
それぞれに個性があって、それぞれが求めてもらえる場所に
ちゃんと最後にたどり着くことができたら、それで良いのではないかな、と。
それで、牛も、生産者さんも、地域も、ちゃんと生かされるのでは、と。
生きものだから、一つとして同じお肉はないけど、
いろんな可能性を皆で言い合いながら、探りながら、いけたらいいなぁと。
そして、それが『理想ではなくて、ちゃんと現実的に成り立つ』
ということを身をもって示したくて、
私は牛や生産者さんたちのことをお伝えしながら、お肉をお届けして、
小さな会社を継続させていくために必死です。
周りに仲間のような方々がいてくれるからできることだなぁ。
出荷直前にはこんな立派な姿になっていました。
大事に育てていただいて、ありがとうございました。
8月の暑いときの国分さんのFacebook。
『牛さんたちも暑さには弱く、食欲不振になります。
牛舎には各小屋に2台ずつ、インバーター制御された巨大な換気扇があります。
電気代はかかりますが、生きている間は快適に過ごして欲しいので
風力マックスで風を送っています。
食べたいときに食べ、寝たいときに寝る
快適な環境で幸せに育った牛さんのお肉は美味しい。
最近行き着いた、美味しい牛肉になる牛を育てる秘訣です』
そして、相変わらず、こんな時に登場するのは、私の大事な教科書、
品種改良の世界史(家畜編)です。
ガンジーは、ジャージーと同じく、ノルマン種とブルトン種の交雑で成立したようですが、
ジャージーがブルトン種の影響が大きいのに対して、
ガンジーはノルマン種の影響が大きいとのこと。
ジャージーと近い血縁関係があるので、種々の点で似通っているけど、
ジャージーより体格は一回り大きいのは、ノルマン種のが強健で多乳の系統のため。
枝肉の形の点では、ジャージーほどの整った美しさがなく、いくぶん粗野な感じがする、と。笑
牛乳の特徴は乳脂率がジャージーに次いで高く、
味の濃い特別牛乳としての価値は高く評価されているそう。
という基礎知識を入れつつ、枝肉に向き合わせてもらうと、
なんとなく繋がるような気がします。
まず、枝肉重量は26.3カ月齢で544㎏と、ずいぶん大きくなりました。
皮下脂肪や筋間脂肪は少なく、
純血乳用種にしては、想定以上にサシが結構入ってます。
乳脂率が高いがゆえでしょうか、ジャージーも同じくその傾向があります。
脂質には定評がある国分牧場さんですが、
ガンジー種として、どんな特徴が出てくるのか楽しみです。
ジャージーファンの自分としては、
近い血縁と聞くと、ついつい期待しちゃいます。
この子はこれからご案内して、
20日間程度枯らし、来週10日前後あたりの加工予定です。