雫石遠征~牛との時間。

先週末は、次の中屋敷牛の出荷が近いのもあり、
今年初の岩手・雫石への遠征。

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今年は雪が少ないとは聞いていましたが、
たまたま行ったタイミングで雪降りになり、
やったー!と、やっぱりテンション上がるわけです。
いくつになっても。笑

今回の一番の目的は、3月上旬に出荷予定のこの子。
きづなちゃん。

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約5年前、生まれてすぐ引き取られてきた時の姿は
こんなに小さくて、モフモフで可愛らしかった。

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額と、お腹の横のXの模様だけは、赤ちゃんの時のまま。
あ、あと毛質も相変わらず、モフモフで気持ち良いです。

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5年の間に仔牛を2頭産んでくれたのですが、
2頭目の子を産んだ後、なかなか妊娠できなかったようで、
約半年くらい、宝山の発酵飼料(オカラ、ビール粕、米もろみ粕)などで
再肥育して、今回お肉になってもらうことになりました。
初めての2経産ジャージー母さん。

きづなちゃん、元から持っている体格の良さか、
若さのせいか、身体つきもしっかりしています。

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向かって左側がきづなで、右側が去年12月に三谷さんところから
やってきた、13歳のアニマルいちこちゃん。
こうしてみると、その違いは一目瞭然です。
中屋敷さんいわく、いちこちゃんは
「いつもの半年よりも再肥育に時間かかりそう、、」
とのこと。

牛それぞれ個体差もあるし、現場は大変です。
生産側の苦労に感謝しつつ、少しでも理解したいと、
雫石に行ったときはいつも一緒にお手伝いさせてもらっています。

とある一日の流れ。

7時~10時  仔牛たちのミルク・餌やり。

10時~11時 自分たちの朝ごはん。

11時~14時 草切り・堆肥だし・体調の悪い仔牛たちの獣医さんの診察など。

14時~15時 自分たちのお昼ごはん。(&少し昼寝zzz)

15時~18時 仔牛たちのミルク・餌やり。

という感じで、東京にいる時とはまったく違う流れで
あっという間に一日が流れ去っていきます。
繁殖牛たちや、肥育牛たちは別チームが同じようにお世話されてます。
また、命と向き合っているので、突然のイレギュラー対応があったり。

例えば、草切りは、牛たちが朝ごはんを食べ終わって
のんびり反芻している、こんな姿を横目に、
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こんな機械で、
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草を細かく裁断して、牛たちが食べやすいようにします。
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慣れない自分がやると、一日分のこの牛舎の牛たちの草だけでも
1時間くらいかかったりします。
焦って早くやろうとして、まとめて入れちゃうと詰まるし・・・
我ながら、どんくさ!って思いながら。笑

(ちなみに、この作業は草が かなり舞うので、
マスクをしながらするのですが、終わった後、
自分の鼻を掃除すると、すごい緑なんです。
草の粉末みたいなのが、飛び散って、
マスクしていてもたくさん入ってきてるようで。
こんな粉末状のものが平気で入ってくるんだから、
ウイルスなんて、隙間から余裕で入ってくるんだろうなって思わず。)

そして、もう一つの大事な目的は今年末くらいから順に出てくる、
ジャージー、ジャー黒、褐黒、短黒などの子たちを、
どんな環境で、どんな餌で、どんな期間かけて、
育てていくのが良いのか。
生産側(中屋敷さん)と販売側(荻澤)での話し合い。

環境に関しては、5月以降は牛舎の他に、パドック、放牧という選択肢もあり。

餌に関しては、今までの宝山の発酵飼料(エコフィード)の他に、
中屋敷さんは今、東北農研さんと一緒に色々取り組んでくれているので、
自家産の大豆サイレージ、子実トウモロコシなどを
自家産の早刈りの二番草とMIXしたものや、
味噌とバガス(サトウキビの搾りかす)入りのキノコの菌床などを
成分分析してもらって飼料設計をしながら、
いかに地域の資源を生かした牛肉生産ができるか、という取り組み。

そして、もちろん、今までの経験や先輩方の話も含めて、
こうしたら、きっと美味しいお肉になってくれるだろう!
という要素も含めて、やれることを考えて。
すべてが自分たちが思った通りにはいかないとは思うけど、
未来ある取り組みに、ワクワクしかないです。

そして、そんな取り組みの主役になるのが、この子たち。

褐黒
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ジャージー、ジャー黒
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ジャー黒、ジャー黒、ジャージー
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ジャージー、ジャージー
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これから、そんな主役たちを産んでくれる予定の、
お母さん候補牛たち。

短角牛。
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短角×褐毛。
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褐毛×黒毛。
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そして、東京に戻った翌日、この褐黒母さんが
無事に元気な女の子を産んだと連絡きました。

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褐黒×黒毛【菊谷照(純但馬)】
元気に育ってね!

そして、おまけ。
ニャンコのグルちゃんとジャージーの戯れ。

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最後には結局、チューされちゃう。
かわいい( *´艸`)笑

こんなふうに、時間軸や価値観の視野を広げてくれる、
岩手での時間が、自分の東京での時間を
より色合いの濃いものにしてくれます。
有難い。

こんな不安定な時だからこそ、
私も未来のワクワクに励まされながら
繋がりある農家さんを少しでも支えていけるように、
足元のことをしっかり進めていきたいと思います。