【入荷情報】井信行さんあか牛♀36.1カ月齢(自家産)


つい先日、井さんを通して、ある方からご連絡をいただきました。

井さんから、そのお名前をお聞きしたときから、
なんとなく聞き覚えがあったのですが、
お話している間にだんだん記憶が蘇ってきました。

ちょうど7年前に参加したアニマルウェルフェア・シンポジウムの、
研究会の代表をされていた松木先生でした。
自分なりに、その時に感じたことをブログに残していました。

アニマル・ウェルフェア。

そして、この時のブログに書いてある通り、
「この概念の中で黒毛和牛の存在は一体どうなるの?」
って不安になって、松木先生に質問したことも話している間に思い出しました。

松木先生は以前、井さんの牧場視察に来られたことがあって、
繋がりがあったようです。
その後、オリンピックの選手村で採用される農畜産物の、
JGAP認証の件にも関わっていたそう。

そうした中、『アニマルウェルフェア』という考え方を
より国内で広めていくために、自分たちが取り組んでいるような
「小さな流通」にも興味を持ってもらえたことが
なんだか嬉しかったです。

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アニマルウェルフェアという言葉を使うことは普段あまりないですが、
生産現場を見て、料理人さんたちが求めるものに応えていった結果、
そういった考えに近い育ち方をした牛のお肉たちを
扱わせて頂くことが自然と増えてきました。

今回やってきたのは、そんな中の1つである井信行さんのあか牛です。

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前回に引き続き、今回の子も自家産。
雅信さんの放牧地&牛舎でお母さん牛と一緒に育成期を過ごした後、
信行さんが10カ月齢くらいで引き取って、
最後の仕上げまで育て上げてくれています。

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井信行さんについて

このような環境の中、今回の子は36カ月齢と長めに飼われていながら
前回の30カ月齢と同じくらいの重量の421㎏。
成長がゆっくりめの子だったようです。

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BMS(脂肪交雑)2と、ここ最近の中では一番赤身寄り。
でも、BCS(肉色)とBFS(脂肪色)はどちらも6と濃いめで、
いつもの井さんらしい。
前回のロース芯が62㎠に対して、今回は48㎠とやや小さめのよう。

そうして、実際にやってきた枝肉はこんな内容でした。

ロース芯。
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モモ。
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バラ。
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脂質。
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切断面。
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自家産で、ロース芯がやや脂噛んでいるのが珍しいです。
育成のときの食い込みがなにか悪かったのかな。
脂質はいつものように、しっとりねっとり良さそうなクリーム色。
モモ・ロースのサシの入り方は赤身寄りでこの季節らしい。
肉色は濃いめで、テリもあって好みです。
バラに関しては安定のあか牛らしい仕上がり。
井さんが「もしかしたら厚いかも」と言っていた通り、
皮下脂肪はやや厚めでした。

今回の子は導入されてやってきたお母さん牛の初産の子でした。
井さんが話される通り、ゆっくり育つタイプなのも、
肉質や、肉付きも含めて、この血筋の影響なのかもしれないです。
どちらにしても、今回の子もまた個性があって
その味わいが楽しみです。

この子の育ちもゆっくりだけど、自分自身も、
掛け算みたいなスピード感のある仕事はできなくて、
足し算みたいに一歩一歩、前に進むやり方しかできません。
冒頭の、松木先生から頂いたご連絡は、
7年前、質問していた小さな自分の姿が思い浮んで
そうやって少しずつ歩いてきたことが
ちゃんと認めてもらえたようで嬉しかったのです。

ゆっくり時間をかけて井さんに大事に育てられてきた、
こちらの子はあと少し枯らして、7月半ばくらいにに加工予定です。
のんびりやさんですが、どうぞよろしくお願いいたします。