【入荷情報】中屋敷ファーム・ジャージー♀36.7カ月齢

中屋敷カルテットの最後の1頭、ジャージー♀がやってきました。

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4頭の中で、黒毛の血が入っていない唯一の子。

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こちらの4頭は、中屋敷さんが初めて国産飼料にチャレンジした子たちです。
その内容は、自身で栽培した有機大豆のサイレージ、一番草、
デントコーンサイレージを主体にした手作りゴハン。

しかも、1年目の夏に放牧を組み合わせた形で、
今の日本の牛肉生産の概念の中では完全な異端児だけど、
(それは枝肉の仕上がりにしても完全に。)
私たちからすれば、未来に続いていくやり方の一つじゃないか、
って考えている畜産の形です。

ビール粕やオカラなどの食料副産物を使った宝山のエコフィードは元々のスタート。
そこに、3年半前にはファーメンステーションさんの
エタノール発酵した米のもろみ粕が加わって。

そして、その半年後には、東北農研さんに、
中屋敷さんとファーメンステーションの酒井さんとお伺いしました。
その時のことを興奮気味にブログに残していました。

春の岩手遠征~盛岡・雫石編

その後は、東北農研さんと中屋敷さんでどんどん前向きに話が進み、
国産飼料の餌づくりに向けて、有機大豆の栽培がはじまったり、
今年の春先にはいよいよデントコーンの栽培も中屋敷さん自身で
取り組み始めました。

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そうして、実際に何をどのくらいの割合で混ぜたら良いか、
東北農研さんに飼料設計をしてもらって。

こうして振り返ってみると、大切な人たちと出会わせてもらって
ちゃんと繋がっていってるなぁと嬉しくなります。

今回の子もハッチにいる時からずっと成長を見守ってきました。

2018年8月<3カ月齢>
はじめまして。こんにちは。
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2018年11月<6カ月齢>
だんだん、毛色が濃くなってきました。
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2019年6月<13カ月齢>
4頭仲良く放牧地に上がって、1カ月目くらい。
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2019年9月<16カ月齢>
え、顔と前足の色が、、、日に焼けたの??笑
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2019年11月<18カ月齢>
約半年の放牧を終えて、山を降りてきてすぐ。
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2020年10月<29カ月齢>
この食べてる餌が国産率9割以上の手作りゴハンです。
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2021年1月<32カ月齢>
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2021年5月<36カ月齢>
出荷前、最後の挨拶に。
なんか、ニッて笑ってくれたみたいな一枚。
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最後の半年でグッと身体が丸みを帯びてきました。
良い環境で、大事に育ててもらったなぁって思います。
ありがとうございました。

こちらで出荷時、生体重が685㎏でした。
やっぱりジャージー、生体から枝肉への歩留りは約55%で枝重は376㎏。
もちろん個体差もあるだろうけど、
3年前、初めて出荷した中屋敷さんのジャージー♀が34カ月齢で
枝重280㎏だったことを考えると、すごい進歩です。
【入荷情報】中屋敷さんジャージー未経産メス34.1カ月齢

実際の内容はこちら。

ロース芯。
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バラ。
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モモ。
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脂質。
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切断面。
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枝肉全体。
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1年目の夏の放牧は肉周りを良くする効果があるかな、
と期待しているロース芯の大きさ(ジャージーは元々小さめ)が
思ったより発揮できていなかったのは残念ですが、
バラに関してはジャージーにしたら、かなり立派な厚みと内容です。

脂質は相変わらず、ねっとりしていて良いのと、
なにより、赤身にテリがあって味わいしっかりありそう。

4頭の中では黒毛が入っていない分、BMS2と一番赤身寄りに仕上がりました。
その純粋な味わいがどう出てくるのか、とても楽しみです。

そうして、最後の写真で分かる通り、芝浦の枝庫の中で
脂の色がまったく違うことでとっても異彩を放つ子。
遠くから見ても、「あ、あれがうちの子だ!」ってすぐ分かります。笑
食べてきたものや育ちがちゃんと表れているので、
私は安心だけど、一般市場での評価はこの脂の色は最下層になります。
でも。
面白いことに、海外で修行されてきた料理人さんたちからは
「僕、この脂の色のお肉が欲しいです」って言われます。
このニーズが、生産現場や肉業界の価値観の幅を
少しずつ広げていってくれたら嬉しいなぁと思います。

そして、考えてみれば、今年に入ってジャージーは3頭目。

1.国分牧場さんの八丈島生まれのレイン♂26カ月齢。
2.井信行さんのいたずらジャージー男子♂51カ月齢。
3.そして、今回の中屋敷さんの放牧女子♀36カ月齢。

食べてきたものや、育ってきた環境、月齢もまったく違う子たち。
仕上がりの肉質もまったく変わってきます。

みんな違ってみんないい。
ちゃんとそれぞれ求めてもらえるところにお届けして、
この子たちの育ってきた土地や背景のことを思いながら
食べてもらえることが私の目標です。

今回の子も枝で20日間程度枯らして、6月最終週に加工予定です。