【入荷情報】竹の谷蔓牛♂38.7カ月齢


東京が久しぶりの大雪で大混乱になっていた真っ最中、
岡山・新見から、約半年ぶりに純血の竹の谷蔓牛がやってきました。

<大安3の27の4《竹槙5×真槇1×第2大槇》/38.7カ月齢/去勢>

「竹の谷蔓」は、黒毛和種の基礎となる血統の元祖です。
今から約200年前の1830年に、最古の蔓牛として新見で誕生しました。
そんな「竹の谷蔓」は和牛に携わるものにとってどこか憧れの存在です。

登記上は「黒毛和牛」になるのですが、
現在のニーズに合わせた改良がされていないので、
サシが入りずらく、大きくもなりずらい、昔ながらの和牛です。

そのため、今の経済効率優先の価値観においては、
評価されず、どんどん飼う方が減っていて、
現在、純血は全国で50頭もいないくらい、とのこと。

そんな「竹の谷蔓」について勉強した内容は
こちらにまとめました。
竹の谷蔓牛のこと。 | 東京宝山 (tokyo-houzan.com)

ちょうど1年くらい前に初めて岡山を訪ねさせていただいてから
昨年は、経産・去勢、それぞれ1頭ずつの竹の谷蔓牛のお肉に
向き合わせていただきました。
振り幅もあり、まだまだ分からない部分が大きいですが、
どちらもお肉としての評価がとても良かったのは間違いないです。
そして、各地域と結びついた牛の飼育の歴史に
自分が興味を持って勉強している今。
中国地方のこの地域の産業であった製鉄業と結びついて誕生した
「竹の谷蔓」という貴重な血筋、今後の黒毛の改良のためにも
なんとか残してもらいたいなぁと素直に思います。

そのためには、この存在を少しでも多くの方々に知ってもらい、
このようなお肉を評価してくれる方々に出会ってもらうことが
欠かせないと思っています。
今までこの地域にご縁のなかった自分が
この牛たちに関わらせてもらうのには、根底にその想いがあります。

今回の子は、この地域でずっと竹の谷蔓の血筋を残そうと
長年お一人でご尽力されてきた平田五美さんの牧場で生まれた子です。
約1歳の頃、いろりカンパニーさんにやってきて
それから約2年間の飼育期間を経て、今回の出荷です。

いろりカンパニーさんと竹の谷蔓牛が紹介されているYouTubeがこちらです。
こんな良い環境で育てられています。


今回の子、本当は昨年11月くらいに出荷になる予定だったのですが、
あまり大きくなっていないとのことで、数か月、
長めに肥育を引っ張ってもらって、今回の出荷になりました。

<出荷の日>

10月の時点では、枝で300㎏くらいかも、、とのことでしたが、
+3カ月齢で少し重量も乗ってくれたようです。
枝重量366.6㎏・A2・BMS3に仕上がりました。

実際の内容がこちら。

ロース・バラの切開面。

枝肉全体。

モモ。

38カ月齢まで月齢を飼い込んだ黒毛の去勢で、
このサシの入り方、そして、この重量。
まさに竹の谷蔓の血筋の特徴がそのまま出ています。
細やかなサシの入った美味しそうな赤身は大好きなバランス。
そうして、幼少期の育成も良い環境だったのだろうな~と思わせてくれる、
しっかりとした大きさの形の良いロース芯。

1頭目の経産もA1という格付けだったのですが、
赤身にもサシが入らないけど、皮下脂肪や筋間脂肪もつけずらい、
お肉としての歩留りの良さも特徴に感じます。

<昨年6月に訪問したとき>

3頭目の竹の谷蔓、この内容は楽しみです。
2月中旬くらい加工予定です。