続いて、岩手・雫石からやってきたのはこちらの子。
お久しぶりの中屋敷ファームのジャー黒♂です。
《ジャージーの母×黒毛和牛の父(美津金幸)》
中屋敷さん、しばらくジャージーが続いていたので、
ジャー黒はいつぶりだろうと思ったら、
2022年4月以来なので、約2年ぶり。
ジャー黒は比較的、鼻の周りが白く、
泥棒?みたいな感じになるのが特徴なのだけど
今回の子は全身まっ黒くろすけでした。
でも、中屋敷さん曰く、
「毛色はそうだけど、体型は和牛らしい厚みがなくて、
やっぱり、ジャージーなのさ。笑」とのこと。
今回の子もいつも通り、奥中山の三谷牧場さんで生まれた子です。
お母さんジャージー、もしかしたら知ってる子かなぁと思って、
辿ってみたら、5歳のお母さまも、12歳のお祖母さまも
いまだ、三谷牧場さんで活躍されていました。
ということは、乳牛としてきっと良い血筋なんだろうなぁと思いつつ、
曾祖母まで調べてみたら、なんと「アニマル」さんでした。
【入荷情報】ジャージー母さん「アニマル」13.4歳 | 東京宝山 (tokyo-houzan.com)
「根性者」からその名前がついた「アニマル」さん。
もう4年近く前にお肉に向き合わせてもらった子です。
懐かしいなぁ。。
そんな「根性者」の血筋を継いだ今回のジャー黒くんです。
三谷牧場から中屋敷ファームにやってきたばかりの
1カ月齢くらいの頃、お会いしてました。
そして、今回のジャー黒もいつも通り、
中屋敷さん手作りの国産飼料100%で育て上げてもらいました。
「一番草」「有機大豆サイレージ」「デントコーンサイレージ」
「子実トウモロコシ」「くず大豆」「米ぬか」「きのこ廃菌床」のMIX。
頭の3種類は中屋敷さん自身が育てて収穫したもの。雫石産です。
テロワールのある牛肉を目指して。
さらに、草食動物である牛にとっては、
本来の生理に寄り添った内容のゴハンです。
加えて、中屋敷さん自身が育てる有機大豆サイレージが入ることで
赤身の味わいに深みを加えることができるのでは、という取り組み。
さて、こんな餌で30カ月齢まで育てあげて
仕上がった実際の内容はこちらです。
枝重量476㎏(立派!)、B2、BMS3点です。
ロース芯。
バラ。
モモ。
脂質。
切開面。
枝肉全体。
「体高はあるんだけど、和牛のような厚みがないので
いまいち、重量が掴めないんだよなぁ、、、
400㎏はいくと思うのだけど。」
と出荷前に中屋敷さんが話していたのですが、
476㎏と思った以上に重量は乗ってくれていました。
そして、皮下脂肪や筋間脂肪などは厚くないので
歩留りは良さそうな枝肉内容。
ロース芯はしっかり真ん丸の良い形で、BMS3と
幅広く愛されやすい、ちょうど良い赤身加減です。
モモにも程よいくらいのサシが入ってそう。
また一見、脂の色はそんなにクリーム色が強くないように
感じるのだけど、後ろにいる通常肥育の枝肉の脂の色と比べると、
食べてきた餌由来のものがちゃんと出てるなぁと
ひそかに私はホッとします。笑
この子はもう少し枝で枯らして、2月10日あたりに加工予定です。
根性者の「アニマル」さんと同じように
誰かの記憶に残るお肉になってくれることを期待しながら。