【入荷情報】国分牧場ジャージー♂34.3カ月齢(群馬県産)

2024年、明けました。
今年も牛や生産者さんたち共々、どうぞよろしくお願い致します。

今年も自分が感じるワクワクを手がかりに、
いろいろ活動していこうと思う年始であります。
そんな今年1頭目のゲスト牛は、
埼玉・東松山にある国分牧場のジャージー♂34.3カ月齢。
この子もまさにワクワクさせてくれる子でした。

この子は久しぶりの、群馬県にある神津牧場生まれのジャージーです。
26カ月齢まで神津牧場で飼われていて、
昨年5月に国分牧場にやってきてから8カ月の肥育で出荷なので、
一生の中で過ごしてきた中で一番長い時間を過ごした、
群馬県が産地になります。(★ここ注意。)

この子が生まれ育った神津牧場の環境はこんな感じです。

<お母さん牛たちが搾乳以外の時間を過ごす放牧地>
<肥育中の男子たちも広々とした環境で育てられていました>
<ちびジャージーは本当可愛くてたまらない>
<神津牧場名物の搾乳に向かう牛の行列>

神津牧場 | 日本で最古の洋式牧場 (kouzubokujyo.or.jp)

ここ数年の輸入飼料高騰の影響で、今でこそ、
「飼料自給率を向上させましょう」という国の動きがあります。
が、こちらの神津牧場は
『草と牛は一体であり、草を乳に換えることが神津牧場の経営の基本だ』
という創業者の邦太郎さんの理念のもと、ずっとそこにある資源(草)で
乳を生み出すことを120年以上続けてきた牧場です。
たぶん、一時は時代遅れと言われた取組みだったのだと思います。
(経営が大変だったのも以前、神津牧場の歴史の本を読んで
 知っているので。。)
でも、今のこの日本の畜産を取り巻く環境をみたら
きっと邦太郎さんは「な。ほら、やっぱりこれが原点なんだ。」
って言うんじゃないかなぁと。
まさに、「振り返れば未来。」
この邦太郎さんが、母校の慶應大学の大先輩というのもなんだか嬉しい。

そして、今回の子もそんな考えの環境で育てられているので
肥育牛とはいえ、配合飼料もそんなに多くはあげていないかなぁと。

その後、26カ月齢で国分牧場にやってきてからは
8カ月間、モネンシン(抗生物質)フリーの餌と、
コエドビールのビール粕、地元の稲わらなどで、
立派に育て上げてもらいました。
国分牧場さんに関してはこちらの紹介動画をぜひご覧ください。

そして、今回の子がワクワクさせてくれた理由がこちら。
生体重714㎏で枝重396㎏(歩留り55%)と、
今までの神津ジャージーの中で一番立派な重量に仕上がったことです。
神津ジャージーは血筋的にも傾斜地で暮らしやすいように
小ぶりなジャージーの血統を残していったと聞いていたのと、
育ち方的にも上記の通りなので、枝重で350㎏いけば合格点って
捉えていたので、ほぼ400㎏はなかなかです。
34カ月齢と月齢も比較的長めではあるものの、
(どの牛種でも)長く飼っても重量乗らないパターンもあるし、
それだけが理由じゃない気がしています。
最終的には
「うーん、ジャージーはまだまだ分からないね。笑」
という結論になってしまうのだけど、でも
その分、この可能性にワクワクもさせてくれるわけです。

実際の枝肉内容はこちらです。

ロース芯。

バラ。

モモ。

脂質。

切断面。

枝肉全体。

先に届いた格付けをみて期待していた通り、内容も立派。
ロース芯も真ん丸で大きく、バラ身もしっかりしています。
(ジャージーという牛種にしては、という意味合いも含めて)

この内容をみると、この子はとにかくストレスなく、
幼少期に体調も崩すことなくスクスクと育ったのかな、
それが最終的にこの重量にも繋がっているのかな、
と想像します。
そうして健康的に仕上がったお肉はやっぱり
心地よい味わいだろうなぁと素直に思う。

昨年の末頃、「お久しぶり」や「初めまして」も含めて
いろんな生産者さんとお会いさせて頂く機会が多かったのですが、
その中のある方のひとこと。

『なんのために牛を飼うのか』

その言葉とそれぞれの生産者さんの取り組みのことを
ずっと考え続けています。
そして、私はどういう生産者さんとお付き合いして
どんな牛たちと向き合っていくのか。
今年の末までになにか自分なりの解が見えてくるように
考えて、学んで、行動していきます。
ワクワクは忘れずに。

こちらのジャージーはもう少し枝で枯らして、
1月末頃に加工予定です。