新緑の季節がやってきて、東北各地から
今年の放牧スタートのお知らせが届く中、
GWを迎えた東京に岩手からやってきたのは
エム牧場さんのジャー黒♀です。
ジャー黒のメスはお久しぶり。

黒毛の血は「奈津百合」です。>

今回の子たちは秋田の酪農家さんで生まれた後、
岩手の遠野と一関で暮らしてきました。
自分たちはジャージーの赤身の美味しさを知ってから10年近く、
さらに、そんな「ジャージー」と「黒毛和牛」の良いところを併せ持った
『ジャー黒』を扱わせてもらうようになってからも
5年以上経っているので、その価値や可能性を知っています。
ですが、いまだにジャー黒の素牛(もとうし)は
通常の交雑牛(ホルスタイン×黒毛)の単価とは
かけ離れた単価で流通されていると聞くとビックリします。
丁寧に育てあげたジャー黒のお肉は本当に美味しくて、
こんなに愛されっ子なのに。
市場の価値観を変えるのは、ほんとう難しく、
時間がかかるんだなぁと思います。
だからこそ、自分たちがするべきことは、
イベント的に花火を打ち上げるようなことではなく、
入口から出口までの繋がりを地道に長く継続していくことで、
ジャー黒の美味しさをじわじわ知ってもらって
少しでもその存在を浸透させることだと思っています。
今回の子もあちこちのお届け先で
みんなに愛してもらえたら嬉しいです。
ちなみに、この子たちが最後に食べていたのは、
デントコーン、稲WCS、キノコの廃菌床、牧草に加えて、
モネンシンフリーの配合飼料3㎏程度と、餌に関しても
少しずつ、地域で生産されたものの割合を増やされていってます。
そんなありがたい環境で、28.8カ月齢まで育てあげてもらって
最終的に、BMS4の3等級・枝重量393㎏になりました。
実際の内容はこちらです。
ロース芯。

バラ。

モモ。

脂質。

切開面。

ロース芯のサシはジャー黒らしいちょうど良いバランス。
バラは想定以上のサシと厚みもしっかりあり、
焼肉用にも良さそうです。
モモは程よいサシが入った程度の赤身主体かと。
皮下脂肪がやや厚めなので、どこかの成長段階で
この子としては必要以上に摂取してしまったのかなぁと
想像してみたりしつつ。トータルしてみると、
今後の参考になりそうな楽しみな内容です。
これから、いろんな新しい取り組みがスタートするので
牛種・餌・環境、1頭ずつからなにかを教わって
前に進んでいけたらと思います。
価値観を変えるのは一筋縄ではいかないので、
無理なく、牛歩のペースで。
こちらはもう少し枝で枯らして、GW明け、
5月半ばくらいの加工予定です。