【入荷情報】ジャージー母さん「さんま」6歳

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半年ぶりに、三谷牧場育ち・中屋敷さん再肥育の、
経産ジャージーがやってきました。

今回の子は75カ月齢なので、6歳ちょっとと、経産としては若く、
ここ2年くらい向き合ってきた11歳~14歳の熟練母さんジャージーたちとは
ちょっと、また様子が違います。

この子の名前は「さんま」ちゃん。笑

去年の12月末に、三谷さんのところから連れてきたときに、
中屋敷さんから、今回の子は「さんま」らしいと聞いたけど、
「明石家さんま」しか、頭に思い浮かばないまま、
由来はよく分からないまま・・・ふーん、って。
ただ、「若いんだけど、細いからちょっと時間かかるかも。」って
中屋敷さんがその時に言ってました。

三谷さんに名前の由来を聞いてみました。
「体が長かったから」とのことで、魚のほうのサンマらしいです。
「搾乳のとき、みんなで並ぶと、おしりが一つだけ、ちょっと出てて、
いつの間にか、タケちゃんが『さんま』って呼び出したの。笑」って。
「でも、さすがに本物の『さんま』ほどじゃないけど。」
って、そりゃそうだ。だって、牛だし。笑

そして、「さんま」ちゃんがなんで、
こんなに早く母さんを引退したかっていうと、
2頭くらい、子供を産んだ後、なかなか種がつかなくなったそうです。
発情が来る度に、10回以上種付けしてたらしいので、
なんとか残せないかと、かなり粘ったようですが、
さすがにもう見切りをつけないといけない時が来たようで。
そうして、中屋敷さんちにやってきたそうです。

中屋敷さんちに来てからはよく食べたそうで、
7カ月の再肥育で、ずいぶん大きくなってくれました。

さすが「体が長かった」ってっていうだけあって、
フレームは大きかったようで、
経産ジャージーでは今までで一番の、
枝重量297㎏にまでなりました。すごい。
三谷さん&中屋敷さん、立派に育ててくれて、ありがとう。感謝。

ロース芯
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バラ
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モモ
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脂質
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切断面
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この子、絶対に美味しい。
この月齢の長さからくる味わいの濃さと、とはいえ、
経産としては、若いからこそのピチピチ、ふくよか加減もあって。

今までのジャージーの枝肉内容と、その後の味わいの評価を踏まえると、
「これ、間違いないー!!」って思って、
枝肉を前にして、一人テンション上がってたんですが、
「なんとも言えない。笑」って、一緒にいたお肉屋さんに言われて、
あーそっか、自分がこれを見て「間違いなく美味しい」って思うのは
自分がここ数年、背景も知りながら、
ジャージー1頭1頭に向き合った上で、食べてるからこその
独自の価値観なんだな、とありがたく気づかさせてもらいました。

また、今年に入ってから、3頭の中屋敷さんの未経産ジャージーに
向き合わせてもらってきましたが、
最初の2頭に比べると、一番最近のココアだけ、赤身が強くて、
味わいも輪郭ハッキリだった2頭に比べると、素直な優しい味わいでした。
どちらも美味しいんだけど、個性が違って。

【入荷情報】中屋敷さんジャージー未経産メス34.1カ月齢
【入荷情報】中屋敷さんジャージー未経産メス34.7カ月齢
【入荷情報】中屋敷さんジャージー未経産メス32.1カ月齢

これが、環境や月齢によるものじゃない気がして、血統の違いを感じて、
生産者さんや料理人さん含めて、そんな話をここのところしていました。
そういえば、三谷さんは、牧場を開いたときに、
ほとんど大半を、秋田からジャージーを導入したそうなのですが、
地元の二戸の方にも1頭譲ってもらったって話していたなぁと思って、
この3頭の大元を辿ってみました。
それぞれのお母さんを何代も追いかけていって。

そうしたら、最初の2頭は秋田からの導入からの流れの子で、
ココアだけ、二戸のご近所さんから導入した流れの子でした。
面白い。毛の色も違うし、やっぱり、系統がちょっと違うのかな。
でも、加えて、お父さん側の血統の特徴もあるし、
(こちらは、厄介な「アワード」という種の話を三谷さんから聞きましたが
 話が長くなるので、またの機会に。笑)
単純には分からないけど、生産者さん、肉屋、料理人さんが
ワイワイこんな話をしているのはとても楽しいし、
こんな風に毎回、色々想像しながら、血統整理していったら
いつか自分たちなりに見えてくるものがあるような気がします。

というわけで、「さんま」ちゃんはこれからご案内して、
肩とバラは来週、モモとロースはさらに1週間くらい、
枯らしてから加工予定です。