【入荷情報】国分牧場ジャージー♂32.4カ月齢(群馬県産)

東京オリンピックが始まったタイミングで、
続いてやってきたのは、国分牧場ジャージーです。

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今回の子は東京宝山で扱わせて頂くのは初めての、
群馬・下仁田の神津牧場から、埼玉・東松山の国分牧場にやってきた子です。

神津牧場といえば、日本を代表するジャージー牧場です。

6年前に岩手・雫石の中屋敷さんとジャージーの肥育を始めた頃に
色々と国内のジャージー牛の流通状況について調べていると、
まずは群馬の神津牧場と、岡山の蒜山(ひるぜん)という、
2つの代表的な牧場がでてきます。
あとは、ジャージー牛の肥育専門だと、北海道の関谷牧場さん。

というわけで、なんでも知りたがりの私はその頃から
神津牧場は「一度行ってみたい!」と憧れの牧場の一つでした。

そして、その少し後くらいに、北海道・十勝で開催された、
短角牛の勉強会に参加していたところ、
私がジャージーに興味を持ち始めたのを知っている農家さんが
「あの方が神津牧場の場長だよ」
って教えてくれました。
「あれ、なんで、ジャージー牧場の場長さんが短角牛の勉強会に参加されているの?」
って理解できなかったものの、
「えー!ぜひ紹介してください!」
とお願いしてお話させてもらいました。

話を聞けば、その場長は元々、岩手の東北農研で短角牛の研究をされていて、
特に、2シーズン放牧肥育などに取り組んでいたそう。
数年前、神津牧場に異動になられたとのことでした。

私自身、短角牛のお肉に触れたことから、
興味が繋がったジャージーのお肉だったので、
やっぱり国産の赤身肉の世界はまだ限られていて、
興味を持って動けば、あちこち繋がってくるんだなぁと、
嬉しくも感じた一件でした。

そんな神津牧場さんですが、3年前、いつもお世話になっている
八王子の磯沼牧場さんが預託牛を迎えにいくときに
ご一緒させて頂く機会に恵まれました。

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その時に、場長の須山さんとも再会でき、
また、牧場を開拓した“神津邦太郎”さんは福沢諭吉先生のもと、
慶応義塾大学で学んでいて、弱冠22歳で日本で初めての西洋式の牧場を
作ったことを知りました。
『バターはカウヅにかぎる』という福沢諭吉先生のキャッチコピーも残っているそう。
まさか大学の大先輩が開いた牧場だったとは!と、なんだかまた嬉しくなり。

神津牧場「はじめて物語」

その後、国分牧場さんと神津牧場さんの繋がりもできたようで、
ジャージー男子の引取りがはじまったそうです。
なにせ、この業界は狭いのだ、ということをあちこちで実感します。。

そうして、つい先日、国分さんが次の子たちを引取りに行かれる時に
声をかけて頂いて、神津牧場へ2回目の訪問をさせて頂きました。

この時は少し時間がゆっくり取れたので、放牧地も案内してもらったり、
名物になっている、搾乳に向かう母さんジャージーたちの「牛の行列」も
見学できたり、育ちのいろんな背景や今までの経緯を知ることができました。

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実際に今回の子たちがやって来たばかりの頃にも
国分牧場さんにお邪魔していていたのですが、
月齢に対しての小ぶりさが印象的でした。
育ちの環境に加えて、この土地に合った系統など、
ジャージーの中での血統もあるかもしれません。

なので、今回の子が17カ月齢でやってきてから、
15カ月間かけて、生体重686㎏という仕上がりに関しては、
さすが国分牧場さん、立派に仕上げてくれたなぁという感覚です。
枝重量は363㎏でした。

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国分さんと話していて、ジャージー男子に関して、
今までの経験から、肥育期間はさておき、
枝重350㎏に満たない仕上がりの時に
繊維がちょっと頑固になってくる傾向がある気がするので、
それをクリアしてくれたことで、まずお互いにホッと。

実際に枝肉にご対面したら、なおさらその仕上がりの良さに
ビックリしました。

ロース芯。
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バラ。
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モモ。
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脂質。
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切断面。
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ロース芯は形も真ん丸で、その大きさも
ジャージーにしては、しっかりしています。
そして、コザシが万遍なく、きれいに入っていて。
モモも赤身の中に程よくサシが入っていそうです。
筋間脂肪も皮下脂肪も無駄がなく。
脂質自体もしっとり良さそう。
小ぶりですが、全体的に良くまとまっている枝肉です。

素直に育ちが良い子だなって感じます。
それがこの個体なのか、神津牧場さんの育成の環境や血統なのか、
もっと頭数を重ねていかないと、国分さんもきっと評価できないでしょうけど。

少なくとも今回の子は背景、月齢、重量、実際の仕上り、
様々な面から、安心してご案内できる内容です。

こちらの子はと畜から20日間ほど枝で枯らして、
8月一週目の半ばあたりの加工予定で、
今回の子はまた久しぶりに一般販売も考えています。

いろんなご縁が巡り繋がって、出会わせてもらった
初めての群馬県産ジャージー、どうぞよろしくお願いします。