【入荷情報】中屋敷ファーム・ジャージー♂33.2カ月齢


2年前の夏、岩手・雫石町の放牧地。

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中屋敷ファームのジャージー男子2頭が、
黒毛の繁殖牛たちと一緒に過ごしていました。

この公共牧野に上げられているのは
一般的には、繁殖牛や搾乳牛などのお母さん牛(と、その予備軍)たちです。
お母さんたちは健康的に過ごして
元気な赤ちゃんを産むことがまず第一なので。

そんな中、こちらのジャージー男子たちのように、
肥育を目的とした子たちがいることはとても稀(まれ)です。
牧野に上がっている間は基本的に生えてる草しか食べないし、
山を上がったり下りたり、運動もするので
エネルギーを使って余計な肉量を落としてしまうからです。

でも、中屋敷さんは生まれた季節と放牧開始のタイミングが合えば、
できるだけ放牧地に上げてくれています。
というのも、育成期に放牧して身体(内臓)をしっかりつくることで、
山を下りる時は締まった身体で帰ってくるけど、
その後、肥育期に入ったときの食い込み方や肉のつけ方が
良くなる感覚があるから、とのこと。
また、私自身が枝肉と向き合ったときも、
ロース芯の大きさなど、ひと夏でも放牧を経験している子の方が
比較的、肉周りが良い感覚がありました。

とはいえ、いつも特殊な牛種たちでチャレンジしているので、
なかなか検証することは難しいのですが。笑

そういうわけで、この子たちは9カ月齢で牧野に上げられました。
周りは熟練の黒毛お姉さま方々に違いないのですが、
ジャージー持ち前の気の強さのおかげか
あんまり負けるとか聞いたことがありません。
これもまた飼い主さんたちがみんな口を揃えて話すジャージーの特徴です。

さて、前置きが長くなりましたが、
今回やって来たのはこの2頭のうち、毛色が淡い方の子です。

いつもの通り、岩手・奥中山の三谷牧場さん生まれ、
雫石にやってきてすぐ、私も会っていました。

2019.9(生まれて10日目くらい)
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もはやペットの愛らしさ♡

2019.12(3カ月齢)
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この頃から少し毛色に黒が混じりはじめ。

2020.2(5カ月齢)
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ここから、もう2頭はずっと一緒。
それにしても、2頭ともずいぶん毛色が濃い時期。

この後、コロナ禍に入って、私が全然岩手にも行けず・・・涙
やっと行けたのが夏を越えたギリギリ10月でした。

2020.10(13カ月齢)
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牧野に上がっても、いつも仲良く2頭一緒に行動していました。

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取材のカメラに興味津々で街頭インタビュー状態。笑
このあたりもジャージーらしい行動で、なんだか好きな一枚です。

2021.1(16カ月齢)
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山を下りて、牛舎で過ごす日々になっても
やんちゃ加減が抜けません。。

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そして、この子たちは山を下りた後も
雫石の太陽と大地の恵みをたっぷり食べて育ちました。

少しずつ内容は変わりながらも一番直近で食べていた飼料の内容は、
「一番草」「有機大豆サイレージ」「デントコーンサイレージ」
「子実トウモロコシ」「くず大豆」「米ぬか」「きのこ廃菌床」です。
国産飼料100%。
しかも、頭の3種類は中屋敷さん自身が育てて収穫したものです。雫石産。
飼料自給率25%の今の日本でこれは素晴らしいこと。

2022.5(32カ月齢)
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飼い主の中屋敷さんと。

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出荷直前にはこんな立派な姿に。

そうして、いよいよ今月の出荷を迎えました。
生体重770㎏、枝重量414㎏です。歩留り53.7%。

実際の内容はこちらです。

ロース芯。
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バラ。
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モモ。
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脂質。
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切断面。
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枝肉全体。
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今回の子はなんといっても、脂質が良いです。
しっとりした質感、そして触るとねっとりして。
その理由は、後ろにいる黒毛の肥育牛たちとその色味がはっきり違い、
しっかりしたクリーム色であることからも
食べてきたエサ由来であることが分かります。

赤身の肉色もしっかり濃く、テリもあり、
ジャージーらしい濃い旨味を期待しちゃいます。

肉牛の世界はいろんな価値観があります。
が、こんな風に地域の資源や恵まれた土地を生かして、
牛たち自身もできるだけ負担なく、
良き牛生を過ごして育ってきた牛肉たちが
求められる場所もきっとあるんじゃないかな、と。
そんな場所に正しく繋いでいくのが自分の役割だと考えています。

今回のやんちゃなジャージー君も一番モテモテになる場所に
お届けすることができますように。

もう少し枝で枯らして、6月末あたりに加工予定です。