「昨日、牛舎にいってみましたが、
良質な草をめいっぱいあげていました!
とっても良い状態の草でしたよ。穀物は余るほどにあげとらん。」
そう、信行さんが話されていて、息子さんである雅信さんが、
信行さんの考えをしっかり引き継いで、
現場を守ってくれていることに嬉しくなりました。
今は現場の仕事はある程度、雅信さんたちに任せつつも、
監督のように、私たちの取組みをそっと見守ってくれています。
そして、信行さんとお話しすると、いつも私は元気をもらいます。
「大動物を穀物で大きくするのではなく、草で大きくするのが本来。
本来の牛の姿が大事。」
「霜降りで価格が決まる今の基準であれば、それに向けて育てるには
どうしても、輸入穀物が必要。」
「輸入飼料がこれだけ値上がりしているのに対して、仔牛の単価は下がっている。
今週の仔牛市場もかなり安かったらしい。生産者はとても大変な状況。
それは頭数多く、輸出状況などの影響も受ける黒毛和牛の方が顕著。」
「私が何十年も前から目指しているのは赤身のお肉。
それを目指せば、今のように地域の餌でも育てることができる。
実際に、うちの餌の単価は変動していない。」
「自分はこういう風に荻澤さんや、料理人さんと
直接やり取りさせて頂くこともあって、87歳にしては全然元気です。
こうして、流通の出口と直接繋がるのは農家として
とっても珍しいことじゃないでしょうか。」
「生産から、食べるところまでずっと繋がっていることが凄いこと。
それは緊張感もあることだけど、やりがいや喜びも直接感じられる。
出会わせてもらってありがとうございます。」
いやいや、こちらこそ、ありがとうございます!
さっきも、そんなお話をしながら、また元気もらいました。
東京宝山では、入荷してくる井さんのあか牛を
毎回、番号振って管理していて、今回の子が『36』でした。
基本的に年間6頭なので、気づけば、
ちょうどまるっと6年のお付き合い。
そうか~もうそんなに経ったかぁと感慨深いです。
牛の生産にかかる長い時間がわかっている以上、
スポットとか短期的なお付き合いはしたくないので、
このままずっと大事にお付き合いを続けていきたいです。
できれば、私がおばあちゃんになって、誰かに事業継承をするまで。笑
そうして、今回も雅信さんから出荷の子の画像が送られてきました。
今回も自家産の31.1カ月齢の女の子で、『なみしげ』ちゃん。
生体の姿が見れると、より気持ちが入ります。
井さん親子が地域の資源を生かしながら、
国産飼料100%であか牛を育てる様子はこちらの動画をご覧ください。
『希少和牛”くまもとあか牛”を手作りの100%国産エサで育てる信行牛』
そして、実際の枝肉内容はこちら。
枝重量400.3kgのA2でした。
相変わらずのきれいなコザシ加減。
ロース芯の大きさも張りがあり、筋間脂肪に無駄がなく、
幼少期の放牧の期間も含めて、健康的に育ってきたのが伝わります。
先に、レバー含めた内臓1頭セットを送った方から、
「内臓めっちゃ良かったです^^ありがとうございます!」
と連絡が入りました。
良かった、お肉の方も楽しみです。
自分がお付き合いさせてもらっている生産者さんの中では
最長老なのもあって、この3年近いコロナ禍の中で
現地に会いにいくのは遠慮しちゃっているのだけど、
さすがにそろそろ、『生』井さん親子に会いたくなります。
「そろそろ、行きたがっている方々と会いにいきまーす!」
「コロナの合間を縫って、こちらも東京にいきまーす!」
と、ラブラブしながら電話を切りました(笑)
こちらはもう少し枝で枯らして、9月20日頃に加工予定です。