2023年、新春1頭目のゲスト牛がやってきました。
そんな福男は、こちらの国分牧場ジャージー「ミネルヴァ」くん。

いつもの八王子・磯沼牧場&東松山・国分牧場の、
コエドビール・タッグの1頭です。
(両牧場ともコエドビールのビール粕をあげて育てています)
国分牧場さんに関してはこちらのご紹介動画をぜひ。
『地元・埼玉県産の地域資源を活かして希少な乳用種を育てる国分牧場』


1歳くらいで国分牧場にやってきて、
それから約15カ月間、モネンシン(抗生物質)フリーの餌と、
コエドビールのビール粕、地元の稲わらなどで、
立派に育て上げてもらいました。26.8カ月齢。


ミネルヴァ君、今まで着々と培ってきた私たちのジャージー観を
見事に覆してくれる子でした(笑)
まずは、生体重640㎏からの、枝重量365㎏というその歩留り。
歩留り57%は、いつもジャージー定番の55%から考えると
嬉しい意外性である歩留りの良さ。
そして、その後に「ん?!」と、びっくりしたのは、こちらの格付け。

BMS1。。。
いつも「ジャージーは乳用種の中では比較的、サシが入りやすくて」
って説明していたんだけどな・・・。
でも、ロース芯の面積43は枝重量に対して大きく、
こちらもまた逆に、良い意味で(笑)ジャージーらしからぬ雰囲気。
「いろいろ意外性だらけで、ちょっと内容が想像つかないね」と
国分さんと言い合いながら、実際の枝肉にドキドキご対面させていただきました。
内容はこちらです。
ロース芯。

バラ

モモ

脂質

切開面


確かにしっかりとした赤身だけど、検品したタイミングが
と畜から少し日にちが経ってるせいもあるのか、
「1」という数字から想像していたよりはサシがいくらかあってホッと。
そして、肉色も良し◎
ロース芯の大きさや、無駄のない肉周りは想像通りで、
赤身加減もあわせて、ヨーロッパとかの牛のような印象。
これで、いつものジャージー特有の赤身の味わいの濃さが
ちゃんと存在してたら最高です。
今、あちこちで報道されている通り、乳牛の仔牛の単価が
大暴落しています。
いつもジャージー、ブラウンスイスのような希少な乳用種の説明をするとき、
「ホルスタインの男子は頭数が揃っているので、
ちゃんと市場が成り立っているのですが、」
と前置きとして話していたのですが、それが今はホルスタインも
ジャージーたちと同じように買い手がつかなくて、
一部では、処分することさえ起こっているそうです。
増頭・増産に向けて2014年にはじまった畜産クラスター事業から一転、
今は逆に、生産調整のため、牛の淘汰に助成金を出す状況。
その背景には世界情勢がもちろん大きく関わっているのですが、
遅かれ早かれ、飼料自給率の低い日本の畜産・酪農が
こうなることを見据えて、周りとは違う動きを
着実に進められてきた方々もちゃんといるわけで。
私は今まで通り、信念を変えずに淡々と自分の考えのもとに
取り組んできた生産者さんたちを応援していくのみです。
風向きが一瞬にして変わりますが、追い風には乗りつつ、
向かい風はいなして、歩き続けられる自分でありたいと思います。
福男ジャージーのミネルヴァ君はもう少し枯らして
1月末に加工予定です。