【入荷情報】信行牛<あか牛>♂31.9カ月齢(自家産)

続いて、冬の熊本・産山村からやってきたのは
井さん親子の育てるあか牛、こちらの「光波」くんです。

2年前の秋に産山村を訪問したとき、同級生たちと過ごす、
まだ仔牛だった光波くんに会っていました。

<向かって一番右にいるのが「光波」>

昨年12月、約2年ぶりに産山村を訪問したのですが、
その時もこちらの3頭は一緒のお部屋で過ごしていたので、
ずーっと3頭一緒に成長してきたようです。

その訪問した日の熊本は大寒波がやってきた日で、
私も初めて、雪の産山村を経験することになりました。

牛舎横のこちらから放牧地に上がる道に直接繋がって
自由に行き来できるようになっているので、
雅信さん曰く、いつもだと冬でも、ゴハンの時間以外は
放牧地に上がっていくそうなのですが、
さすがにこの雪だと牛たちも上がらないそうで。

それでも同行メンバーに牛舎から繋がる放牧地の感覚を
牛の気持ちになって伝えたい自分は「上がりましょう~!」と。
きっと、雅信さん含めて「えー牛もいないのに行くの?(寒いし…)」
とみんな思っただろうけど。笑

でも、頑張って上がり切った後のこの景色を見ないで帰るのは
もったいないから絶対上がって良かったはず。

繁殖牛たちは冬の間も山に上がって、こんな風に生えてる
笹やススキを食べているそうです。

そして、一緒に行こうよって誘ったのに、
「寒いからイヤよ」と付き合ってくれなかった母牛たちの1頭、
こちらの手前右の子が「光波」くんのお祖母ちゃんでした。
このときで11歳。

お祖母ちゃんがいて、その娘も繁殖牛として残して、
っていう感じで一族が残っているということは
きっと性格的?あるいは良い繁殖成績?仔牛の育成が良い?
いろんな理由で血筋が良いのだろうなぁと思うので、
お母さん、お祖母ちゃんまで辿って調べるのが癖になっています。
あとは、毎回、仔牛登記を送ってもらうので、
あか牛の血統や改良の背景など、もっと勉強して知りたいな、と。

<奥にいる、つぶらな瞳の子が「光波」(光晴重ー波丸ー第十六光重)>

ちなみに、肥育牛舎を案内してくれた信行さんも
若い方々の訪問を喜んでくれていました。
お身体のことは心配ですが、やっぱり人に会ったり、
お話をするのが、信行さんのエネルギーの源なのだろうなぁ、
とお会いする度に思います。

「コロナもやっと落ち着いてきたから、
 今年こそ、京都と東京にいきましょうー!」
と昨日も電話口で元気な声でおっしゃってました。

そんな井さん親子があか牛を育てる姿はこちらのYouTube動画をぜひ。

そして、実際の枝肉の内容はこちらです。

格付け。

ロース芯。

バラ。

モモ。

脂質。

切開面。

信行牛らしい細やかなサシの入り方は変わらず。
バラ身もしっかり、クリーム色がかった脂質も安定の。

なのですが、実は今回、内臓に廃棄があり、、、
枝肉にもなにか影響があるかと気がかりだったのですが、
お肉に関してはバッチリ健康体でホッとしました。

どこからやってくる牛たちでも、毎回、
枝肉にご対面するときは楽しみの反面、ドキドキが伴います。
もちろん、それぞれの生産者さんたちのことを信頼して
今の関係があるのですが、やっぱり生きものである以上、
想定外のこともたくさん起こります。

起こってしまったことは変えられないですが、
次への精度をあげていくためにも
「一体なにが理由だったのか?」は知りたいところです。
お届け先の料理人さんたちの声も含めて
生産現場にフィードバックをしながら
これからも一緒に考えていきたいと思います。

こちらの「光波」くんはもう少し枝で枯らして、
2月末頃に加工予定です。