【入荷情報】国分牧場ジャージー♂31.1カ月齢(群馬県産)

サクラサク🌸お祝い続きの季節にやってきてくれたのは
国分牧場の神津牧場生まれジャージー君です。

この子は群馬の神津牧場で生まれ育ち、
昨年の5月に、21カ月齢で埼玉の国分牧場にやってきました。
そして、9カ月間の肥育期間を経て今回出荷になったので、
群馬県産の国分牛になります。
(最終肥育地ではなく、牛生の中で一番長くいたところが産地なので。)

格付け明細にもわざわざ手書きで『群馬』って記載されていたり、
最初のラベル表示の登録してくれる担当の方にも
「今回、群馬だから気をつけてください💦」って伝えたり、
業界の中でも注意が必要な引っ掛け問題です。

<みんな僕の表示に気をつけてね~。笑>

そんなこの子が育った神津牧場は
日本を代表するジャージー牧場の1つです。

<神津牧場の名物になっている搾乳に向かう『牛の行列』>
<基本、搾乳牛たちはこちらの放牧地で1日を過ごしています。>
<ジャージー男子たちもノビノビした場所で肥育されていました。
きっと今回の子もここで過ごしていたのかな~。>

1887年に牧場を開拓した「神津邦太郎」さんは福沢諭吉先生のもと、
慶応義塾大学で学んでいて、弱冠22歳で日本で初めての西洋式の牧場を
作ったとのこと。

120年以上たってまた先頭グループを走っています

↑こちらの神津牧場さんのページに、
『邦太郎はいつも、「草と牛は一体であり、
草を乳に換えることが神津牧場の経営の基本だ」と話し』
というくだりがあります。
これからより一層、乳牛はもちろんのこと、
肉牛にも大切になってくる価値観だと感じます。

また、「日本の畜産が見直されようとしているいま、
時代遅れのように見られていた私たち神津牧場が、
気がついたら実は時代の先頭グループを走っていた、といえるかもしれません。」
という最後の一文。
今、ある方に勧められた、農民作家の山下惣一さんの『振り返れば未来』という
本を読んでいるのですが、まさにそのタイトル通りのことが
周りでたくさん起こっているような気がします。
自分が生きている今の時代の中でどういう行動を取っていくべきか、
素敵な先人の方々の考え方から学ばせてもらうことがとても多いです。

そして、そんな神津牧場さんからバトンを受け取って、
ハードルの高いジャージー牛の肥育に果敢にチャレンジしてくれているのが
埼玉・東松山の国分牧場さんです。

国分牧場さんについてはこちらの動画をぜひご覧ください。

埼玉県産の稲ワラと、モネンシンフリーの配合飼料。
そして、「コエドブルワリー」さんのビール粕たちを食べて、
31.1カ月齢で、最終的には生体重610㎏、枝重332㎏になりました。
私たちの目標は最低ライン枝重350㎏でいつも話しているので、
それよりはちょっと重量は足りなかったのですが、
実際の内容は堂々としたものでした。

ロース芯。


バラ。

モモ。

脂質。

切開面。

枝肉全体

やっぱり、ロース芯がきれいな形で丸くて、大きいと
健康的に育ってきたと思えるので、凄く安心感があります。
ジャージーの場合、牛種の特徴としても
どうしてもロース芯が小さくなりやすいので。

さらに、無駄のない肉周りと、ジャージーらしい程よいサシ。
初対面で、「あ、この子は大丈夫!」って感じる子でした。
というのも、ジャージーがあまり大きくならないときに
たまに肉質がほぐれない頑固な子がいます。
負けてたストレスなのか、あるいは全体サイズが小さい分、
1つの面積に筋繊維が詰まっていることが理由なのか。
そういう評価をもらったときに生産者さんと一緒に
理由を考えながら、できるだけそういう子を出さない
確度を上げていけたらなぁと思います。

そういう意味で考えると、この枝の雰囲気なら
小ぶりでも、安心して堂々と送り出せるな、と感じました。

そして、今回この子の半頭は調布のレストランmarutaさんに
お届けすることになりました。
5周年イベントのメインとして。
焼肉屋さんではなく、レストランで半頭の牛肉を使いきるのは
大変なことはお互いに分かりつつ、向き合おうとしてくださる
チャレンジが嬉しいです。

marutaさんには昨年末にご連絡いただいて、
今年頭、スタッフの方々に「牛肉や畜産業界についての勉強会」
をさせていただきました。

環境問題などで、畜産や牛がやり玉にあげられがちなこと。
果たして、本当に畜産にはその側面しかないのか?
肉を食べない、それだけで地球は良い方向に向かうのか?
今、実際に畜産の現場では何が起こってるの?
っていうような日々レストランで食材を調理して
お客様にサービスされている中で、それぞれが
疑問に思っていることを質問でぶつけてくれたので
私としても日々考えることを直接お伝えすることができて
とても充実した時間でした。

後日、スタッフさんたちと皆んなで国分牧場まで見学にいき、
國分さんの生の声も聞きながら、
今回のジャージー君にも実際に会ってもらいました。
そして、半頭買いのお肉たちを順次送り込んでいく予定です。
まずは、肩・バラ、追って、ロース、そして最後にモモ。
骨付きで枯らしながらやらせてもらえる環境も含めて有り難いことです。

10年続けてきた今、離れていく方もいたと思うのですが、
想いを同じくする仲間のような方々が、ゆるい繋がりの中、
あちこちに存在してくれていることがとても心強く感じます。
3月26日のmarutaさんの5周年イベントには自分もお祝いしにいきます。

パーツ用の半頭はもう少し枯らして、3月下旬に加工予定です。