【入荷情報】信行牛<あか牛>♂30.5カ月齢(自家産)

梅雨入り発表された東京にやってきてくれたのは
熊本・産山村から、井信行さん・雅信さんの育てるあか牛くんです。

<名号『春山』(春山栄ー光晴重ー第六春玉ET)>

今回も自家産の、30.5カ月齢♂。
仔牛の頃はお母さんと一緒に、放牧地を自由に行き来できる牛舎で育ち、
10カ月齢くらいでお母さんと離れてからは
井さん親子のつくる国産飼料100%の手作りゴハンで育っています。
そして、飲み水は名水百選にも選ばれた『池山水源』の水。
なんて贅沢な環境なんだろう。

<井さん親子があか牛を育てる環境はこちら。>

今回も、牛本人がやってくる前に、
生体の様子と仔牛登記を雅信さんが送ってきてくれました。
その後、と畜場からは格付け明細が。

30カ月齢の去勢で430㎏はやや小ぶりですが、私は好み。
BMS(脂肪交雑)が『2』は久しぶりで、
「あー赤身寄りの子だ」とワクワクし。
内臓の廃棄もなく、「よかった!」と。

そして、「血筋的にはどんな子なんだろう」って思いながら、
仔牛登記の血統をみていて、ふと気になったのが、
お母さんの『はるみ』、お祖母さんの『はるこ』という名前。
「なんか見たことあるような。。」と調べてみたら、やっぱり。

牛舎の裏にある山で4頭だけで放牧されていた、
母子で繁殖牛になっている娘さんの方が今回の子のお母さん。
ちょうど少し前にYouTubeのショート動画をつくって、
その子たちの姿をUPしたところでした。

先頭を切ってやってくる、こちらの『はるみ』がお母さんです。

この山で見た光景は凄く印象的だったので、
この子が産んだ子を扱わせてもらえるのは
ちょっとした緊張感と同時に、とても有難く感じます。

そして、お父さんの血統の『春山栄』について
熊本県のホームページを見て調べてみたり。
種雄牛『春山栄』

『春山都』(はるやまと)の後継牛なのか、と今度はそちらを。
種雄牛『春山都』

「近交係数の高まりを和らげるのに貢献」を期待されるってことは
少なくとも、大きな改良の主流とは違う血筋ってことだよね、と。。
あー、熊本あか牛の血統や改良に詳しいお友達が欲しいな。
講義してもらいたい。笑

そんなこんなで色々妄想しながら迎えた『春山』の枝肉がこちらです。

ロース芯。

バラ。

モモ。

脂質。

切断面。

期待通りの赤身、昔ながらのあか牛がこういう雰囲気かな、
という印象です。
洗練されていない感じ。
バラ身にも無駄なく、脂質もややゆるっとしてるところがタイプ。
おそらく、赤身肉の味わいが滋味深く、しっかりしているかな~と
想像します。
牛としても強い子だったようなので。

そして、今回の枝が届くのがいつもより少し遅れたので、
1時間ちょっと、枝を下ろす場所で、うろちょろして
周りの仕事風景を見ながら待っていました。
知り合いの問屋さんたちが買った枝をトラックに積んでいるところ、
市場会社の方が到着した枝を確認しながら、
汚れがついていたら、その部分の脂を丁寧に削ってくれているところ。
ドライバーさんたちも遠方の九州から走ってくる方、
そして、これから東北方面に走る方。

たくさんの方々が関わって、目の前の一切れのお肉に
なっていることは、いつも自分が伝えたいことです。
ですが、さらに背景には、もっと表に出ない丁寧な仕事が1つ1つあって
自分たちがやっとお肉を届けることができるんだ、と、
その時間だけでもいろいろ感じられた時間でした。
機会がある限り、感謝をできるだけ伝えていきたいです。

そんな風に皆さまのおかげで、自分の元にやってきてくれた
『春山』は枝でもう少し枯らして、6月20日前後に加工予定です。