【入荷情報】ジャージー母さん♀「だいちゃん」14.3歳

毎年恒例になったGWの『岩手うしツアー』。

ここ数年、コロナ禍で行けない年以外は、
いつもお肉を扱ってくれる料理人さんたちを
岩手の久慈(洋野)・奥中山・雫石の3牧場にご案内しています。
今年の様子をYouTubeのショート動画にまとめてみました♪

『奥中山』の三谷牧場さんのジャージーたちが大はしゃぎしている様子。
今年の放牧スタートの日です。
三谷家にとって、お正月より大事な日という一日を
毎年、一緒に過ごさせてもらっています。ありがたや~。

今回やってきた、14歳のジャージー母さん『だいちゃん』の姿も
昨年のその日にありました。

<なんてまったり気持ち良さそう~。笑>

三谷牧場で搾乳牛として活躍していた子が
私のもとにやってくると、いつもどんな性格や特徴の子だったのか、
三谷さんに聞いています。
今回の『だいちゃん』は、ミルクの出る量がとても少ないお母さん牛だったそう。
「だから、食べた分、しっかり自分の身体につけていって、
 どんどん大きくなるから、『だいちゃん』って名前になったの」と。
そして、それだけ自分自身の栄養にする能力があるからか、
とても種付きは良くて、そろそろ引退かな~って思っても、
しっかり次の子を妊娠するから、気づけば三谷牧場の一番の年長者になってた、と。
「そして、さりげなくだけど、仔牛たちの面倒もよく見てくれるんだ~」

話を聞いていたら、おそらく経済性だけ考えたら、
もっと早く引退になっていただろうけど、
三谷牧場だからこそできた、だいちゃんの長生きだなぁって思う。

そして、だいちゃんはとてもオッチョコチョイで
毎年、放牧スタートの日には喜びはしゃぎすぎて、
スコーン!って足を払われたみたいに、横すべりを必ずするらしい。
だから、ミドルネームは「横すべりのだいちゃん」。笑
そんなところも、また愛くるしい。

そして、そんなだいちゃんもいよいよ種がつかなくなり、
同じ岩手・雫石の中屋敷ファームにきたのは昨年の12月。

それから、中屋敷さんによる約半年の再肥育期間を経て
今回、出荷になりました。

今回はGWツアーのときに加えて、
出荷前最後の6月にも会いに行けたので、良かった。

そして、実際の枝肉内容はこちら。
B2・BMS4(!)・265㎏です。

ロース芯。

バラ。

モモ。

脂質。

切開面。

枝肉全体。

14歳の乳牛っていうと、かなり長年働いてくれた、
おばあちゃん牛なはずなのだけど、生体の凛とした姿も
枝肉の張りがある姿も、そんな印象を感じさせません。
経産ジャージーとしてはバラ身も立派だし、
ロース芯のBMS4点というのも、今までのジャージー母さんで初めてです。

でも、その理由が三谷さんの話を聞いて繋がりました。
ミルクの量が少ない分、自分の身に蓄える能力は持っているわけで。
だから年齢の割にしっかりした肉質で、
赤身部分にもサシが入りがちなタイプ。
面白いなぁ。
だいちゃんはミルクの量がかなり少なく、
(種はつきやすいとはいえ)
乳牛としては優秀だったとはいいがたいかもしれないけど
その分、お肉になってくれた後に良いところが出てくれた。

牛たちはいつも色んなことを私たちに教えてくれます。
私自身あちこち欠けてるところだらけだけど、
どこか1点だけでも誰かの役に立てるのなら、
生かさせてもらってもいいよね?
って今回、だいちゃんに出会って励まされた気分です。

三谷さんが今の場所で牧場をスタートして、今年で15年とのこと。
その当初に生まれて三谷家とずっと一緒に過ごしてきた「だいちゃん」です。
そんなだいちゃんが最後まで皆さんに愛されてもらえますように。

もう少しだけ枝で休ませて、6月末頃に加工予定です。