ここ4カ月間、お客様の牧場案内などで
久しぶりに毎月、岩手訪問が続いていたので、
出荷前のこの子にたくさん挨拶することができました。
4月。
5月。
6月。
7月。
この4カ月の間でも少しずつ肉もついて
ふっくらしてきている感じがします。
この子の特徴はなんといっても、食べてきたゴハン。
飼料自給率25%の今の日本の畜産では貴重な、
国産飼料100%の取組み。
それがこの餌です。
「一番草」「有機大豆サイレージ」「デントコーンサイレージ」
「子実トウモロコシ」「くず大豆」「米ぬか」「きのこ廃菌床」のMIX。
頭の3種類は中屋敷さん自身が育てて収穫したもの。雫石産です。
この餌を食べて育った仕上がりとして分かりやすく何が違うかというと、
カロテンがたくさん含まれている、牧草やデントコーンの茎や葉も
入っているので、脂にそのカロテンが残って、
クリーム色がかった脂の色になります。
特にジャージーは品種の特徴としても、
ベータカロテンの分解酵素が少ないので、カロテンを蓄えて
より脂の色がクリーム色がかりやすい傾向があります。
でも、草食動物である牛にとっては、
本来の生理に寄り添った内容のゴハンです。
結果的に、脂の色がクリーム色がかるのはとても自然なことです。
そして、カロテン含有量が高いことは食べる私たちにも◎。
さらに、中屋敷さん自身が育てる有機大豆サイレージが入ることで
赤身の味わいに深みを加えることができるのでは、という取り組み。
このように育てられたお肉が評価されることで、
日本各地でこういった土地を生かした餌づくりからの
畜産の形が増えてくれるといいなぁと思います。
畜産農家さんご自身がやらずとも、耕畜連携という形も含めて。
今回の子は大きくなりずらいジャージーとしては立派に育ち、
32.5カ月齢で、枝重387㎏になりました。
格付けはB2でしたが、BMS3なので、サシも入った方です。
実際の内容はこちら。
ロース芯。
バラ。
モモ。
脂質。
切開面。
枝肉全体。
いいですね~。
ジャージーにしてはロース芯が大きくて肉周りも良く、
バラ身もしっかりしている方です。
そして、この細かいサシが程よく入っている感じといい、
脂質のタイプといい、全部が好み。
そして、この最後の画像から、周りにいる
通常肥育の子たちと明らかに脂の色が違うのが分かるかと。
この個性をネガティブなものではなく、
ポジティブなものと前向きに捉えるのが私たちです。
これぞ雫石テロワール。笑
この子はもう少し枝で枯らして、
旨味をより引き出してあげて、お盆前に加工予定です。