ついに初雪のお知らせがチラホラ聞こえてきた岩手から
やってきたのはこちらのジャージー母さんです。
こちらのジャージーはいつもの三谷さんからやって来た子ではなく、
滝沢にある盛岡農業高校で飼われていた子です。
盛岡農業高校で生まれてから6歳ちょっとまで
ずっと乳牛として活躍していたようですが、
様々な事情で生体市場に出されたのを
縁あって中屋敷さんが引き受けて、
雫石の中屋敷ファームにやってきてくれました。
全国どこでも共通で、農業高校で飼われていた牛たちは
生徒たちにとても可愛がられながら、
手をかけられて育てられている分、
性格が穏やかだったり、懐っこい印象です。
こちらの「もりのうジャージー」(と中屋敷家では呼ばれていたそう)も
なんだか穏やかで可愛くて、今年4月に雫石にいったときに
朝ゴハン後の反芻姿をずっと目の前にしゃがみこんで
思わず、見つめてました。
中屋敷ファームに来てからの約4年間でも順調に
3産してくれたようですが、おっぱいが何本か搾れなくなってきたり、
次の種を何回かつけても止まらなくなってきたようで
いよいよ乳牛・繁殖牛としては引退かな、
となったのが、今年の5月くらいとのこと。
なので、いつもと同じように約半年くらいの
宝山のエコフィードなどによる再肥育期間を経て
お肉になってくれました。10.7歳。
前回大好評だったチビマルちゃん(298㎏)に迫る枝重量で
288㎏となかなか立派な仕上がり。
実際の枝肉内容はこちらです。
ロース芯。
バラ。
モモ。
脂質。
切開面。
枝肉全体。
脂の色は後ろにいる肥育牛たちと比べて分かる通り、
いつものようにクリーム色。
前回のチビマルちゃんに比べて黄色味が少し抑え気味のは
放牧育ちではないからかもしれません。
落ち着いた環境で育ったのかなと思うのは
ジャージー経産にしてはバラの厚みがしっかりしているところ。
ミルクの量が少なかったダイちゃんに比べると
ロース芯に細やかなサシが入ってるものの、赤身寄りなので、
ミルクは程よく出てたのかなぁと想像してみたり。
最近、あちこちで
「中屋敷さんのジャージー美味しいよね~」
と改めて言われることが多くなり、
自分たちが8年前から目標としていた
ジャージー牛肉全体の価値を上げるのに
一歩ずつでも近づいてきているかなぁと嬉しく思います。
今回の「もりのうジャージー」も高校生たちに愛された時間も含めて
お肉にちゃんとすべて伝わって残っていると思うので
最後まで大事にしてもらえるようにお届けしたいと思います。
もう少し枝で枯らして、12月頭の加工予定です。
そして、先日初めて、新潟の十日町で馬耕体験をしてきました。
こちらの企画をされた馬搬振興会代表の岩間さんは
岩手の遠野で牛耕・牛搬もやられているとのこと。
今回のようなジャージー経産牛たちもそうですが、
草をエネルギー源にいろんな働きをしてくれる
牛や馬にはもっといろんな役割の可能性があるのだなぁと
なんだかとってもワクワクしました。
そんな大活躍した子たちを最後、お肉になってもらうときに
生かしてあげられるような自分の仕事でありたいです。