三寒四温を繰り返す、この季節。
国分牧場から、バランスの良い三元牛がやってきました。
今回の子はみんな大好きジャージーの入った三元牛になります。
ジャージー×エアシャーのお母さんに
黒毛和牛【勘太(美津百合-安茂勝-福之国)】を掛け合わせた子。
後ろ足だけ白い靴下を履いたような
可愛い「マラドーナ」君です。

こんな掛け合わせの子が出てくる生まれ元はもちろん、
いつもの通り、東京・八王子の磯沼牧場さん。
しかも、今回の子は産まれてから2年近くを磯沼牧場で過ごし、
最後の5カ月間を国分牧場で肉牛として仕上げて頂いたので
産地も「埼玉県産」ではなく、
牛生の一番長い時間を過ごした「東京都産」になります。
いつも私がお肉をお届けさせて頂いてる方々は
だいぶ慣れてきてくれていると思いますが、
一般的にはなかなかのひっかけ問題です。笑
そして、母牛<ジャージー×エアシャー>の
「エアシャー」純血はこんな牛です。

スコットランドエアシャー地方原産の乳用牛になります。
磯沼牧場では以前、エアシャーの種牛を飼われていて、
人工授精では受胎しずらい雌に最後の種付けとして
自然交配をされていたことがありました。
そして、磯沼牧場は住宅地の中にあるので、
牛たちがお腹をすかせて鳴いて、近隣に迷惑をかけないように
粗飼料はいつでもたっぷりあげてあげていること。
加えて、酪農家さんなので、
人間用には出荷できない生乳がどうしても出てくるので
そちらを哺育中の仔牛たちにあげていること。
(通常の農家さんの哺育は粉ミルク)
そんなおかげさまか、磯沼さんからやって来た牛たちは、
その後の育ちが良いイメージがあります。
そして、国分牧場に2歳でやってきてからは
モネンシン(抗生物質)フリーの餌と、
コエドビールのビール粕、地元の稲わらなどで、
約5ヶ月間で、国分牛として立派に仕上げてもらいました。
私も、先月末に飲食店さんたちと国分牧場訪問したときに
出荷前のマラドーナ君とお会いすることができました。

最終的には生体で860㎏・枝重量487㎏にまでなってくれました。
(枝肉歩留り56%)

実際の内容はこちらです。
ロース芯。

バラ。

モモ。

脂質。

切開面全体。


2等級(BMS2点)と多くの皆さんから好まれる赤身寄りで
ロース芯の大きさと丸いキレイな形に育ちの良さが表れています。
バラとモモの程よいサシのバランスには黒毛の血も
しっかり感じつつ。
重量はしっかり乗せつつも、皮下脂肪をつけすぎていないので
出荷タイミングもちょうど良い頃合いだったのかな、と。
マラドーナ君、総合的にとってもバランス良い仕上がりです。
みんな大好きジャージーの赤身の濃ゆい味わいが
ちゃんと存在してくれていることを期待しつつ。
熟成にも耐えられる強さもありそうなので、
もう少し枝で枯らして、3月最終週あたりの加工予定です。