【入荷情報】国分牧場ミルキングショートホーン♀30.5カ月齢

短い秋がやってきました。
とても過ごしやすく、美味しいものもたくさん、
大好きな季節です。
そんな幸せな空気感の中、国分牧場さんからやってきたのは
初めての牛種、「ミルキングショートホーン」です。

【ミルキングショートホーン♀30.5カ月齢『ペコ』ちゃん】

この変わった牛種の生まれ元は、皆さんご承知の通り?
東京・八王子の磯沼牧場さんです。笑

この子のお母さんのミルキングショートホーンの第一号、
『ミルキー』さんが生まれて2カ月くらいの頃、
私は初めての磯沼牧場さんにお邪魔していました。
2017年12月のことです。

【めでたく、磯沼牧場6品種目の乳牛誕生✨】
【その後、2020年4月の成長したミルキーさん】

その後、ミルキーさんが5歳の頃、2023年に産んだ子が
今回の『ペコ』ちゃんです。

女の子だったので、磯沼牧場でお母さんになってもらって、
搾乳牛として活躍する予定だったようですが、
なかなか子を孕むことができなかったのか、未経産のまま、
ちょうど2歳の頃に国分牧場さんにやってきました。

★以下、生まれ元の磯沼さんがFBで書かれていた
 ミルキングショートホーンの特徴です。

>ミルキングショートホーンは乳肉兼用種の体質もあります。
>兼用種は初産を産ませてミルクが取れる個体の場合は繁殖を重ね乳用に利用する場合と
>飼料を身体に貯えると太ってきますので肥育に向けて肉利用となります。 

>草資源の利用性が高い=粗食に耐える力があるので開拓地や高地にも適応する。
>過酷な自然条件下でも生き残る生命力、繁殖力、病気に強いなど良い面もあります。

>乳量の少ない所はむしろ、乳質の高さが期待できるので
>チーズなど加工に向いているとも言えます。

>エコフィードの利用性も高いのは優れていますし
>乳用種の改良の進んだホルスタイン種と対照的だと感じています

とのこと。

いつも扱っている短角牛の元となっているショートホーンと違って
お腹に白いマーブル模様があるのが特徴なのか、
それがコーヒーミルクみたいで可愛いです。

【お腹をパッカーンって開きたい。。。】

そんな特徴を備えたミルキングショートホーンですが、
磯沼牧場さんで、粗飼料主体で身体をしっかり作られた後、
埼玉・東松山の国分牧場さんに来てから約6カ月間。
いつものように、モネンシン(抗生物質)フリーの餌と、
コエドビールのビール粕、地元の稲わらなどで、
しっかりと肉牛として仕上げてもらいました。

いよいよ出荷を迎えたときには30.5カ月齢で
716㎏にまでなってくれました。
丸々という感じより、アスリートのような
筋肉質のムチムチした格好いい体型の印象です。

枝重量は427㎏だったので、歩留り60%と
乳用種としては優秀な数値です。

実際の内容はこちら。
ロース芯。

バラ。

モモ。

脂質。

切開面。

乳用種としては程よいくらいのサシが入っていて、
味わい良さそう。
肉も乾いていて、ちょっと交雑寄りにも感じる肉質です。
先に届いた格付けが枝重量に対して、ロース芯面積が小さく
ちょっと心配していたのですが、実際にご対面してみると
意外と気にならないくらいでホッと。
あとは短角牛が皮下脂肪をつけやすい体質なので、
同じショートホーンだったらそんな傾向があったりするかな、
とチラッと思っていたのも杞憂に終わり。
ややクリーム色がかった脂もしっとりしていて良い脂質です。

母牛になれなかったおかげで未経産の30ヶ月齢まで
育ててもらえた『ペコ』ちゃん。
乳用種のメスとしては牛種もそうですが、
月齢としても希少な経験です。

ありがたく、豊かな個性に向き合わせていただきます。