続いて、熊本からやってきたのは井信行さん・雅信さん親子が
育てる、くまもとあか牛『信行牛』です。
最近少しずつ、重量も以前のように戻ってきて
まずはホッとしているところですが、
今回の子はまた最近の中ではちょっと雰囲気が違うタイプの子。
仔牛市場で導入してきたメスで、11カ月齢での導入から約2年。
「ずいぶん長く飼ってて、丸っこくなってきたのでそろそろ出せます」
と、雅信さんからご連絡いただいて出荷に。
月齢35.6ヶ月齢は、くまもとあか牛としてはなかなかの長期肥育です。
いつも枝肉がやってくる前に内臓をまるっと1頭セットで
同じシェフの元にお届けしているのですが、
今回、内臓が届いてすぐご連絡が入って、
「今回のハラミ、段違いで美味いです!」とのこと。

この火入れも含めてですが。笑
「脂の質感、サイズ、最高ランクですね!」
と評価抜群だったので、枝肉の到着もワクワク心待ちしてました。
まずは枝肉の前に届いた格付けがこちら。

おぉ。まずは3等級が久しぶりです。
ただ、BMS(脂肪交雑)は3点なので、そこまでサシが強いわけではないのかな、と。
そして、なんといっても、427㎏って素晴らしい。
最近は400㎏近くいってくれたら「良かった~」って安心していたので、
それを大幅に越えるとは。立派に重量乗せてくれました。
さらに、この子の個性はBFS(脂の色)に出ていて、
6点はなかなかの黄色味の濃さなので、
草をたくさん食べてくれていたのかな、と期待しつつ。
そして、実際にご対面した枝肉がこちらです。
ロース芯。

モモ。

バラ。

脂質。

切開面。


枝肉全体。

ロース芯にはコザシながら、いつもより多めに
霜降りが入っています。
バラの厚みもしっかりあって、肉牛らしい雰囲気。
これはもしかしたら、血統の能力なのかなぁと想像しながら。
そして、脂の色は格付けの通り、いつもよりクリーム色でしっとりめ。
肉周りだけ見ると、井さんのあか牛としては珍しいタイプですが、
この子が脂の色の通り、草をたくさん食べて、
この肉に仕上がってくれたのだとしたら色々な可能性を感じます。
毎回、個性豊かな子たちがやってきますが、
それぞれ一番求めてもらえる場所にお届けできますように。
こちらはもう少し枝で枯らして、
きっと秋の気配が出てきてるはず?の、
9月半ば過ぎくらいに加工予定です。