井信行さんあか牛、入荷しました。
今回の子は出荷を1カ月遅らせてもらいました。
コロナの影響で出荷を遅らせるのは申し訳なく、
できるだけいつも通りで、と思っていたけど、
逆に、先に信行さんから
「こちらは出荷を1~2カ月遅らせるのは全然問題ないのでー!」
という言葉をかけてもらってしまいました。
「うちの育て方は牛に負担のない育て方だから、
みんな元気にピョンピョン飛び回ってるくらいで、
全然、飼う期間が伸びるのは大丈夫です!
私自身も地域の餌で育ててるので、
(小麦とかは一年分まとめて、去年のうちに払ってるし)
毎月払わなきゃいけない餌代があるわけじゃないから全然大丈夫。」
「それより、東京は大変なことになってるみたいで。
うちの牛たちを使ってくださっているお店の方々は皆さん、
大丈夫でしょうか?
なにか私にもさせてください。
この痛みを皆さんと分かち合いたいです」
と逆に、しきりにこちらの心配をしてくださいました。
やっぱり凄い方だなぁと。
どんな時でも、考え方も言葉もブレない。
足元にも及ばないけど、こういう人間性に近づきたいって思いました。
お肉と一緒に、シェフの方々にもできるだけ、
信行さんの生の言葉をそのまま伝えようとしているけど、
伝書鳩役をやらせてもらえることはとびきり幸せなことだと思います。
そんな信行さんが育てられた、今回の子は
なんと、34.8カ月齢の去勢です。
なかなか大きくならない子で、
じっくり向き合いながら飼ってくれていたそうです。
今回、出荷になる時も
「丸々っとはしてないです。
だから脂もそう余計についてないと思います」
とのことでした。
そのお話の通り、この月齢の去勢としては小さい417㎏・A2。
先に熊本から届いた格付け明細の内容が、とても好みっぽくて、
ついつい期待しちゃいます。
そして、実際の枝肉内容がこちら。
うーん、やっぱり好みです。
このロース芯のきれいなコザシ加減と、無駄のない肉周り。
「草いっぱい食べたんだね!」って思わず話しかけちゃうような
クリーム色した脂の質感。
そして、美味しそうなしっかりした肉色。
全体的には、雌みたいな雰囲気の枝肉です。
それで、この月齢の時間のかけ方。
楽しみしかないです。
こちらは、6月2週目あたりに加工してお届け予定です。
東京宝山としては、今後また状況がどうなるか分からない中、
出荷してくれる生産者さんたちを不安にさせないためにも
もう一つの出口を育てていこうと、ゆっくりペースになりますが、
一般販売のチャレンジを、この機会にはじめました。
そちらのページで、井信行さんについてもまとめました。
コロナ禍で大変な今だからこそ、大切な人、モノ、事を
改めて教えてくれてる感覚があります。
大好きな生産者さんたちを見習って、
自分自身もブレずに進んでいきたいと思います。