【入荷情報】草熟北里八雲牛(経産牛)9.5歳


国分牧場さんの三元牛と一緒にやってきた、
北海道の黄色い彼女はこちらの子です。

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『草熟北里八雲牛』
北里大学獣医学部八雲牧場で育った、
生きている間に、哺乳期の母乳の他には草しか食べていない、
お母さん牛です。
早く熟した、じゃなくて、草だけで熟した『草熟』だそうです。

この子は、7産している9歳半の母牛です。
去年の11月に最後の仔牛を生んで、
今年の5月くらいまで、その仔にミルクをあげていて、
その後、離乳した後に少しずつお肉がついてきたそうです。

それは再肥育、と言っていいのかな?
だって食べてるものはずっと草だけで、
ただミルクを出しているか、出さなくなるかっていうだけだから。
赤ちゃんにミルクあげてるお母さんってやっぱり凄い体力使ってるんだなー
って、思わず尊敬の気持ちが湧いてきます。

そして、草しか食べてなくて、経産牛がこんなに丸々とするなんて
牛ってやっぱり草食動物なんだなと教えてくれます。

ちなみに、こちらの品種は「サレール」×「短角牛」です。

サレールは、フランス原産の乳肉兼用種で、
サレールの乳でつくるチーズもとても美味しくて有名だそうです。

八雲牧場で、短角牛にサレールを掛け合わせている理由は、
雑種強勢のためと、サレールを掛け合わせた方が皮下脂肪が薄くなるので
産肉性が上がるため、だそうです。
そして、サレールのお肉のことを調べていたら
「霜降りがとても味わい深くなる」という説明もされていましたが
確かに、7年前に北海道であった共励会の枝肉画像を見返してみたら、
同じ北里八雲牛でも、短角牛純血よりもややサシが入っている感があります。

そして、サレールはとても母性が強い牛のようで、その血のせいか、
子どもがいないこの時でも、人懐っこく寄ってくるというよりは
気高い母牛の孤高の雰囲気を出していました。

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この子の出荷1週間前の10月半ば頃に会いに行くことができたのですが、
ちょうど放牧地の草が少なくなる頃で、他の子たちには
採草地で刈ってきた牧草をそのままあげていました。

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まだ草があるところはもったいないから
最後までしっかり食べてもらっているそう。
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少しあがったところから、八雲牧場のほぼ全景を見せていただきました。
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こんな環境で育った子が、一体どんな枝肉になるんだろうって
私にとっては正直、未知の世界です。
そんな子の枝肉に先週ご対面しました。

枝肉重量384.5㎏のB1でした。

ロース芯。
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モモ。
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バラ。
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脂質。
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切断面全体。
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松阪牛と三元牛に挟まれた姿。
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脂の色は想定通りで、むしろソフトに感じたくらいです。笑
そして、その脂質はねっとり良い感じ。

赤身部分は最後まで青草を食べてたら、
もっと水っぽい感じになるのかと思ってたけど、
思ったより乾いている印象です。

バラ身も厚みがちゃんとあって、
あとはロース芯もモモも、サシがまったくない赤身ではなく。

いろいろ想像だけでは分からないこともあります。

先日の国分さんの三元牛の若い娘さんが
幅広く愛されっこだとしたら、
きっと、こちらの草熟北里八雲牛の美魔女さんは
ある限られた方々に深く刺さる肉質な気がします。

半丸は枝肉で京都のきたやま南山さんへ、
半丸のみ、東京宝山で扱わせていただきます。

こちらは、と畜から3週間程度は枝で枯らして、
繊維を少しほぐしてあげて、11月半ばくらいに加工予定です。