お盆休み直前、近づいてくる台風をすり抜けて
岩手からやってきたのは中屋敷ファームのジャージーくんです。
この子は奥中山の三谷牧場で生まれて、
20日間くらいで雫石の中屋敷ファームにやってきました。
そして、1年目の夏は、同級生ジャージー♂たちと一緒に
3頭で仲良く放牧地に上げてもらいました。
この子たちは約5ヶ月間を放牧地で過ごし、
たっぷり運動することで、身体をつくってもらいました。
その効果としてこんなことを期待して。
肥育中期の持久的な運動負荷は日本短角種肥育牛のロース芯面積を大きくする | 農研機構 (naro.go.jp)
その後、秋には山を下りてきて、
また3頭仲良く一緒に牛舎で肥育に入ります。
食べる餌は中屋敷ファームオリジナルの手作りゴハン。
「一番草」「有機大豆サイレージ」「デントコーンサイレージ」
「子実トウモロコシ」「くず大豆」「米ぬか」「きのこ廃菌床」のMIX。
頭の3種類は中屋敷さん自身が育てて収穫したもの。雫石産です。
輸入飼料に頼らずに、地域の資源をフル活用して
持続可能な畜産の形を目指しています。
3頭の中で育った順に出荷をしていって、今回の子が最後の1頭です。
もともとのフレーム自体の大きさはあるようなのですが、
お肉をつけるのがゆっくりで一番最後の出荷になりました。
33.7カ月齢。出荷時の生体重は620㎏。
最後まで大事に育てていただき、ありがとうございました。
実際の仕上がりはこちらの内容でした。
枝肉重量334㎏なので、枝肉歩留りは53%。
ロース芯。
モモ。
バラ。
脂質。
切開面。
枝肉全体。
脂質はテリがあり、美味しそうな質感。
色もこの通り、ややクリーム色がかって
食べてきた餌の特徴がしっかり出ているのが分かります。
脂の厚みは薄く、無駄のないつくり。
肉色はジャージーらしい色の濃さ。
ただ、生体の時点の印象通り、やや引きが長い枝肉です。
そして、生体から枝肉の歩留りはジャージーの場合、
だいたい55%で想定しているのですが
今回はそれより少し下がる53%です。
こちらの歩留りは枝肉から正肉に加工するときの歩留りにも
連動していることが多いです。
先に出荷した2頭より、2-3カ月程度長い月齢の今回の子が
実際の味わいや食感がどのような仕上がりになっているか、
まだ枝肉のこれらの特徴がお肉にどう表れるか、楽しみです。
もう少し枝で枯らして、お盆やすみ明けに加工予定です。