【入荷情報】信行牛<あか牛>31.5カ月齢♀(自家産)

続いてやってきたのは、井信行さん・雅信さん親子のあか牛です。

直近の2頭が仔牛市場で導入してきた子たちで
少しずつ、重量などの仕上がりに復活の兆しが感じられていたのですが、
久しぶりに今回は自家産とのこと。

「穀物をあまり食べず、肥育牛としては育ちが良くないので、
 繁殖牛舎の方に連れてきて、繁殖牛たちと同じように
 野草を食べさせたら、野草は結構好んで食べてくれました」
と、雅信さんいわく。
「だから健康的で元気なのですが、
 見た感じの体型は繁殖(牛)って感じです。。」と。

生体の画像も送ってもらって、相談しながら
今、出荷するべきかどうか悩みつつ、
でも、月齢30カ月齢を越えた今のタイミングから引っ張っても、
重量がそこまで乗るのか?ということで
最終的に「出荷しましょう!」となりました。

そして、枝がやって来る前にこちらの格付けが届きました。

思った以上に小ぶりの266㎏。
お肉の内容はさておき、この重量で出荷しては
生産者さんの経営は成り立ちません。
あー無理やり出させてしまったなぁと自分の判断を反省しました。
信行牛を待ってくれている方々がいるので
つい無理をしてでも出してもらいたい気持ちがどこかにありました。

「生き物なので・・・(成長次第です)」
と自分がいつも言いながら、人間の都合に合わせてしまったなぁと。
なので、次からは一回こちらの都合はすべてストップして、
井さんサイドが「そろそろ牛が仕上がったので出せます」
と言ってくれるのを待つことにしました。
体制整えて、生産者さんが納得できるタイミングで
再スタートできれば、と。

その方が牛にも、生産者さんにも、お客様にも良いはず、と
そんなことを考えていたとき、
こんなこと前にもあったなぁとふと思いだしました。
時代の流れで短角牛の引き合いが一気に強くなって、
田村牧場の短角牛の月齢が短くなってしまい、
出荷を止めて、遅らせたことが10年くらい前にありました。
そのときはお互い不安も感じたり、周りにご迷惑もかけるけど、
きっと、長い目でみて守るためには大事なのかと思っています。

そして、やってきた実際の枝肉の内容はこちらです。

ロース芯。

モモ。

バラ。

脂質。

切開面。

枝肉全体。

雅信さんが「野草をよく食べ、元気です。」
と話されていた通り、小ぶりではあるものの、
力のない感じではなく、あ、きっと自然体の味わいで
美味しいんだろうなぁと安心感を感じる雰囲気でした。
脂質も良く。
そして、先にお届けした内臓もすべて廃棄なく、
抜群に味わい良かったと聞いてホッと。

お肉になってもらった以上は今回の子も最大限に
意味がある1頭にしてあげなくては、と思います。

こちらの子は10月頭にお届け予定です。