今年4月、京都・きたやま南山さんで、
井さん親子のドキュメンタリー映画『村で生きる』の上映会が開催され、
お久しぶりに元気な信行さんに会うことができました。

その後、その『村で生きる』が第40回農業ジャーナリスト賞を受賞、
という嬉しいニュースも飛び込んできました。
約5年前、私にも半年間くらい密着してくれていた
制作者の彼らなので、勝手に情が沸いてしまっていて
今回の受賞がとても嬉しいのです。
新たな家族も増えて、制作活動もきっと大変だろうけど
今回の受賞は励みになるだろうし、本当に良かったです。
そして、信行さんのこの素敵な笑顔もご健在。笑

今回の映画では、そんな信行さんがやられてきた取り組みを
実直に引き継ぐ雅信さんの姿も丁寧に描かれていて、
お肉を扱わせてもらう私自身も知らなかった姿がそこにはありました。
ぜひ多くの方々に知ってもらいたいので、今回の受賞を機に
上映会が全国あちこちで開催されることを願っています。
とはいえ、信行さんがやられてきた肥育部門を
ご自身の繁殖部門を続けつつ、引き継ぐのはそんな簡単ではなく、
(映画を観れば、雅信さんの業務多すぎ!と皆、ビックリされる通り・・・。)
牛たちの仕上がりが少し遅れる時期がしばらく続きました。
月齢的には経っていても、育っていない子を
無理やり出荷してもお互いにハッピーじゃないと、
半年くらい出荷を待って、お久しぶりに「そろそろ出せます」
とご連絡頂いて、出荷してもらったのが前回、4月の子でした。
その子を京都で、信行さんを囲みながら皆で頂いたのですが
本当に滋味深い、井さんのあか牛らしい味わいで
皆さんにも「やっぱり美味しいねー」とご評価いただき、
ホッとしたところでした。
ちょっと調子が悪いときも待てるのが今の関係性だと思っているので
今後も雅信さんが生産を続けてくれる限りは
お付き合いを続けていきたいと思っています。
そして、今回出荷になった子は自家産の去勢で33.3カ月齢。
時間をかけて、後半でやっとお肉をつけてきてくれたそうで
格付けはこちらでした。

A2(BMS2)の396㎏。
あか牛の去勢としては一般的には物足りない重量ですが、
一時期の小ささからすると、400㎏近くいってくれると
ずいぶん復活してきてくれた感覚です。良かった。
実際の内容はこちらです。
ロース芯。

モモ。

バラ。

脂質。

切開面。


ロース芯も大きく張りがあって、
ちょうど良いコザシが入った赤身です。
皮下脂肪も薄く、歩留りも良さそう。
逆に言えば脂ノリも薄いのであまり長く枝で枯らさずに
加工してあげた方が良いかな、と。
こちらは20日前後くらいの加工予定です。
思わず顔が緩んじゃう、信行さんのこんな素敵な笑顔を見ると、
この仕事をしていたおかげで出会うことができて
ほんとうに良かったなぁと改めて有難く思います。

これからもずっと良きご縁が続きますように。