今年最後のゲスト牛がやってきました。
東京・八王子の磯沼牧場&埼玉・東松山の国分牧場という、
安定のタッグ、そして、今までに3頭を扱わせていただいて、
しっかり、固定ファンがついている品種の『ガンジー』です。
コロナ禍の移動制限で、牧場にお客様たちをご案内する機会も減った、
この2年間でしたが、今年の1月に皆んなで国分牧場さんにお伺いしたときに
ミューズ君には会えていました。
そして、なにより気持ちがグッと入るのが、
この子のお母さんもお兄さんも存じ上げていることです。
お母さんは2017年の12月に初めて磯沼牧場さんに遊びに行った時に
ご紹介してもらいました。
母さんガンジーのミゥちゃん。
去年行ったときにも、磯沼さんに甘えてきて撫でてもらってました。
そして、ミゥちゃんの第一子であるホープ君には、
去年の6月に向き合わせて頂きました。
今回のミューズ君は、ミゥちゃんの次男さん。
そりゃ、これだけ家族構成を知っていれば、
大切に向き合わせて頂かねば、という気持ちで
改めて、背筋がピンとします。
ちなみに、ガンジーという品種、私たちの間ではもう慣れっこなのですが、
初めて、その名を言うと、牛の品種だと思わない人も多いので、
今回も、『品種改良の世界史』から、ガンジー牛の説明を。
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ガンジー牛の原産地は、イギリス領のチャネル諸島のガンジー島。
気象条件はジャージー島とほぼ同じ。
ノルマン種とブルトン種の交雑によって成立したのはジャージーと同じだが、
ジャージーがブルトン種の影響が強いのに対し、
ガンジーはノルマン種の影響が大きい。
顔は狭く、ジャージーに比べると長く、しゃくれ具合も軽い。(笑)
ジャージーと近い血縁関係にあるので、種々の点で似通っているが、
ジャージーよりは体型は一回り大きい。
性格は温厚で、環境適応能力が非常に優れている。
乳脂率はジャージーに次いで高く、
味の濃い特別牛乳としての価値が高く評価されている。
日本には明治末期に輸入され、現在では日本に200頭ほどしか飼育されていない、
とても貴重な乳用種。
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この乳質の特徴が、肉質にも連動している感覚があるのですが
ガンジーのお肉も、ジャージーの味わいの濃厚さと重なる部分があります。
それでいて、こちらにあるようにジャージーより一回り大きく育つので、
さらに肉としての各部位の仕上がりがしっかりしてきて、
全体的に毎回、高い評価をいただいています。
今回のミューズ君も、24.9カ月齢で434㎏と良い重量感に仕上げてもらいました。
実際の枝肉内容がこちらです。
ホープ君に比べると、やや赤身寄り。
でも、赤身の中に入っているコザシ加減がとても好みです。
脂質も程よくしっとりしていて、良い感じ。
そして、ガンジーはジャージーと同じで、
あまり余計に皮下脂肪や筋間脂肪をつけることがなく、有難いです。
摂取したエネルギーの変換の仕方なのかなぁと想像しています。
ガンジー牛のミューズ君。
この大変だった2年間の締め括りに、女神が降臨して
来年からまた前向きな良いスタートが切れますように。
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未来は、「今、我々が何を為すか」にかかっている。
世界に変革を求めるならば、自分自身を変えることだ。
善いことは、カタツムリの速度で動く。
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(思わず調べちゃった(笑)『ガンジーの名言集』より)
こちらはもう少し枝肉で枯らして、12月20日あたりの加工予定です。